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「ウェルビーイング」は、1948年の世界保険機関(WHO)設立の際に考案された憲章で、初めて使われた言葉だ。「幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて満たされた状態」をいう。新しい幸せの形として用いられ、最近さまざまな場面で耳にすることが多くなった。『ウェルビーイングの新潮流』第25回では、Z世代の間で“バズっている”新たな「食」についてお届けする。
「手軽」「安い」「おいしい」
かつての若者の食品選びが変化?
これまで若者層、とりわけ20代から30代前半は、食品選びにおいて「健康」を最優先とすることは少ないと考えられてきました。仕事や遊び、恋愛といった日々の出来事の方が優先で、食事は「手軽」「安い」「おいしい」という三要素が揃っていれば十分満足できるという価値観が主流でした。
生活習慣病などの健康リスクは、遠い未来のことと受け止められて、健康は「いつか気をつければよいもの」という程度の認識で、直近の問題として意識する若者は限られていました。
しかし近年、こうした構図が大きく変化し始めています。その象徴的な現れが「完全メシ」や「ベースフード(BASE FOOD)」「ナッシュ(nosh)」といったブランドの、栄養バランスを前面に打ち出した食品が、若者の生活に急速に浸透しているという事実です。
「完全メシ」は、必要な33種類前後の栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど)を 過不足なく設計された状態で、おいしさ・手軽さを維持しながら、1回の食事でバランスよく栄養を満たす食品として人気です。
「ベースフード」の主要ラインナップの一つである「ベースブレッド(R)」は、完全栄養パンとして、たんぱく質・食物繊維・ミネラルをバランスよく含み、「手軽に健康を担保できる」点を魅力として訴求し、さまざまな形態へと広がっています。
一方の「ナッシュ」は糖質コントロールや栄養計算がされた冷凍ミールとして人気を博し、男女問わず、20〜30代の若者がメインの購買層です。







