中国で事業を展開する欧米企業が新たな現実に直面している。簡単に稼げる時代は終わり、競争が激化の一途をたどっているのだ。中国ではここ数年、経済成長が鈍化し、消費者は選別姿勢を強めている。一方、手ごわい国内勢の台頭によってライバルが増え、激しい価格競争が起きた結果、企業の利益率は低下している。国際ブランドはより現実的になっている。その戦略は企業や業界によって異なるが、中国の嗜好(しこう)に合わせた製品開発、開発ペースの迅速化、マーケティング手法の差別化、価格引き下げなどが挙げられる。多くの企業は、14億人の人口を抱え世界第2位の消費者市場である中国を無視するわけにはいかない。そして、中国での販売が低迷したままであっても、一部の企業は、学びの場となる重要なイノベーション拠点として中国に注目している。