これまでの研究で男性のほうがゲームにハマりやすいことが知られていますが、ハーバード大学の研究者グループは、ゲームをしていない男の子たちは高いメンタルリスクにさらされている可能性があると指摘しています(注3)。
ビジネスの現場で用いられる
「シリアス・ゲーム」とは
ゲームをすることによって、リラックスしたり、嫌なことを忘れたり、孤独を紛らわしたりすることができるので、感情の抑制やコントロールをすることができる。
そうした機会を十分に得にくい現代の教育、社会環境の中で、ゲームをやらないことに一定のリスクが生じる。
だから、ゲームを全くやらない子どもたちのほうが、感情や素行の問題のリスクが高まってしまうのではないか。
そう考えると、現代社会で無理にゲームをゼロにしようとするのも慎重に考えなくてはいけないということになります。
さてここまで、ゲームは適度にやりさえすれば、脳にも心にもいい影響を与えてくれると説明してきました。そして、そんなに脳にも心にもいい影響のあるものならば、娯楽だけでなく、他のいろいろなところにゲームが応用されていってもいいはずです。
そしてその通り、現在、教育やビジネスの現場で、急速にゲームの応用が広がってきています。
実際に、教育やビジネスなどを目的として作られたゲームの世界マーケットは2024年で2兆円ほど、それが2033年までには5倍の10兆円規模になってくるという予測まで出ています(注4)。
ここでのキーワードは「シリアス・ゲーム」(serious game)。
ゲームといえば、もともとエンターテインメントが主たる目的なわけですが、ゲームのいい側面に注目して、エンターテインメント以外、つまり、教育やビジネスを目的として作られたゲームのことを「シリアス・ゲーム」といいます。
(注3)Kutner L, Olson CK (2008) Grand Theft Childhood: The Surprising Truth About Violent Video Games and What Parents Can Do. New York: Simon & Schuster.
(注4)“Serious Games Market Report by Gaming Platform (Smartphone,Console, PC, and Others), Application (Simulation and Training,Research and Planning, Advertising and Marketing, Human Resources, and Others), Industry Vertical (Education, Healthcare,Aerospace and Defense, Government, Retail, Media and Entertainment, and Others), and Region, 2025-2033.” iMarc.







