子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。
ITツールは不可避なもの、親子でルールを決める
「子どもがゲームばかりやっています! ゲームは取り上げるべきですか?」という相談を受けることが多くなりました。
ビデオゲーム、パソコン、タブレット、スマートフォン、現代の子どもたちの周囲にはテクノロジーとメディアがあふれています。
親がどれだけコンピューター音痴でも、子どもたちはテクノロジーを避けて生きていくことはできません。
実際、欧米の学校はテクノロジーの導入に積極的です。ほとんどの学校が幼稚園からコンピューターやタブレットを授業に導入しています。
欧米ではコンピューター教育は、国語、算数、理科、社会に並ぶ「主要教科」になりつつあるのです。
そう考えると、「ゲームを完全になくす」ことはできず、ゲームもコンピューター教育の一環と考えなければならない時代になっている、と言ってもいいでしょう。
そこで重要なのは、ゲームとの付き合い方。各家庭で必ずルールを決めてください。親が一方的に決めてはいけません。
「親子会議」で話し合います。同時に、ルールを守らなかった時の罰則も決めましょう。ルールをプリントアウトして、子どもにサインさせます。
ルール2:ゲームは1回につき1時間まで。1日最大2時間まで
ルール3:違反した場合、ゲームは1週間禁止。スマホは取り上げ
このような具合です。
プログラミングを学ばせ、遊ぶ側からつくる側へ
そして、できれば子どもがゲームをやるだけでなく、一歩先に進んで、ゲームをつくる経験、プログラミングの経験をさせてあげてください。
プログラミングワークショップやアプリづくりの体験教室に参加させるのです。
ゲームやアプリづくりを経験することで、自分のアイデアを形にすることの喜びを実感することができます。
さらにアプリやゲーム開発をするプロセスは子どもの「考える力」を伸ばしてくれます。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは「すべての子どもはプログラミングを習うべきだ」と言っています。
プログラミングは問題発見能力、問題解決能力、論理的思考力を伸ばしてくれる素晴らしい教材なのです。
これからの時代を生きる子どもにとってコンピューターは必須の技能です。積極的にテクノロジーを活用できる子、自分の強みにできる子に育てると良いでしょう。
パソコン、タブレット、スマホの使い方を教えて、学習活動や創造的な活動(音楽、動画、グラフィック制作)まで自分でできるように子どもを導いてあげてください。
なお、アメリカの小児科学会は1日の操作時間(テレビ、タブレット、スマートフォン、コンピューターのすべて)の目安を次のように推奨しています。
2歳~5歳:1時間
6歳以上:両親がルールを決める