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高校や大学などのアマチュアスポーツ、それも「名門」と呼ばれるチームを有する学校での不祥事が、“今年も”起きました。何度も大きな騒動が起こりながらも、アマチュアスポーツ組織における不祥事が止まらない理由はどこにあるのでしょうか。(東北大学特任教授 増沢隆太)
甲子園の大会途中で
出場を辞退した広陵高校
今年8月、高校野球の強豪である広島県の広陵高校が、高校野球、夏の甲子園大会開催途中で、出場を辞退したことが大きな話題となりました。
事の発端は今年の1月、同校野球部の上級生部員が下級生を暴行したという事件。SNSの投稿によって瞬く間に情報が拡散し、同校と野球部に対する批判が巻き起こりました。
原因となった部員の暴力行為とそれに対する広陵高校の対応について激しい声が上がる中、同校の校長は会見を開き、大会開催中の出場辞退という異例の対応を公表しました。
多くのプロも輩出した名門運動部での不祥事は、他校でも起こりました。
サッカーの名門、宮城県の仙台育英高校は今年11月、同校サッカー部においていじめ行為があったとして、12月に行われる全国高校選手権への参加辞退を申し出ました。高校サッカーの頂点のような大会出場を辞退するという、こちらも異例の事態です。
また、同じく高校サッカーの名門で多くのプロ選手を輩出している、大阪府の興国高校では、部員が大阪府内の店で飲酒をし、救急搬送されるという事件が起きました。大学スポーツでは今年6月、全国大会で優勝経験のある強豪・天理大学ラグビー部の部員2人が麻薬取締法違反容疑で逮捕されるという事件も起きました。
過去にも日大アメリカンフットボール部や東京農大ボクシング部で起きた大麻事件など、アマチュアスポーツをめぐる不祥事は、度々発覚しています。起これば廃部や組織解散など厳しい処分となるにもかかわらず、起き続けているのです。
なぜ近年、アマチュアスポーツをめぐる不祥事は後を絶たないのでしょうか。







