
普段何気なく飲んでいる水。果たして十分な量が取れているでしょうか。水には「種類」があって、目的に応じて飲み分けると効果的なことを、ご存じでしょうか。今回は、私たちの健康に重要な役割を果たしている、水の飲み方についてお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)
中高年の体は水分を保ちにくい?
中高年にとって、水分補給は若い頃以上に重要な意味を持ちます。年齢とともに基礎代謝が下がり、筋肉量も減少傾向にあるので、体内の水分保持力も低下しやすくなるからです。
さらに仕事や家庭でのストレス、食生活の乱れ、飲酒習慣などが加わると、知らず知らずのうちに「慢性的な水分不足」に陥っていることも少なくありません。
水は単なる喉の渇きを癒やすものではなく、血液の流れをスムーズにし、老廃物の排出を助け、代謝をサポートする体にとって大切な成分です。
水を選ぶ際にまず押さえておきたいのが「硬水」と「軟水」の違いです。
軟水は、カルシウムやマグネシウムといったミネラル含有量が少なく、口当たりが柔らかい水です。日本の水道水はほとんどが軟水です。胃腸に優しく、毎日の水分補給に適しています。コーヒーやお茶の風味を邪魔せず、料理にも使いやすいのが特徴です。
硬水は、ミネラル含有量が多く、少し苦みや重さを感じる味わいです。便通改善や脂肪燃焼をサポートする働きがあると言われており、ダイエットやスポーツ時の水分補給に好まれます。特にカルシウムやマグネシウムを補いたい中高年男性にはおすすめです。ただし胃腸が弱い方には負担になることもありますので注意しましょう。
美容目的なら、軟水がおすすめです。体に優しく吸収されやすいので、肌や髪に潤いを与えるサポートになります。水分不足は肌の乾燥やシワの要因になるため、こまめな補給が重要です。
健康維持が目的なら、ミネラルを含んだ硬水を一部取り入れるのも有効です。特に高血圧や生活習慣病予防を意識する世代は、マグネシウムの摂取は血管の健康にプラスになります。