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通勤ラッシュや長距離移動の最中に、急に体調を崩すこともある。こうしたとき、乗客一人ひとりの「助け合い」が必要不可欠だ。鉄道コラムニストの東香名子さんが体験した出来事と、鉄道トレンド総研に寄せられた本当にあった話を紹介する。(鉄道トレンド総研所長・鉄道コラムニスト 東 香名子)
電車で困っている人に
手を差し伸べるやさしさ
駅や電車は、老若男女さまざまな人が行き交う場所。見知らぬ人と時間を共にして、それぞれの目的地に向かっています。
しかし、通勤ラッシュや長距離移動の最中では、予期せぬトラブルがいつ発生するかわかりません。急な体調不良や、予期せぬ事故など、一人の力では対処しきれない困難に直面することもあります。
こうしたときは、私たち乗客一人ひとりの「助け合い」が必要不可欠です。困っている人に手を差し伸べるやさしさが、私たちの安全な移動を支えています。
「お医者さまはいませんか」
新幹線の中で急病人が発生
「お客様の中にお医者さまはいらっしゃいませんか」
新幹線の車内に突然流れる緊迫のアナウンス。こうした現場に私は居合わせたことがあります。お医者さんを呼ぶアナウンスは、飛行機で流れるイメージがありますが、新幹線でもあります。
それは東京から新大阪に向かっていた東海道新幹線のぞみ車内でした。アナウンスが流れると、車内が少しざわつきました。自分とは別の車両で、医師の対応が必要なほどの急病人がいるのだなと、誰もが緊張したはずです。医療従事者ではない私は「どうかその方が助かりますように」と祈る気持ちでした。
すると数分後、本来のぞみの停車駅ではない浜松駅に一時停車。続報のアナウンスでは、急病人を降ろして救急車に引き渡したこと、そして協力への感謝が流れました。車内の全員がほっとしたことでしょう。
手を挙げた医師の
正体は?
その話には小さなサプライズがありました。その後、何げなくTwitter(当時)を見ていたときのこと。







