「成果を出し続ける人」と
「すぐ転落する人」の決定的な違い
――「スタンダードを目指す」「コアファンを裏切らない」という、ブレない理想を追求し続けることが、結果的にビジネスを成長させているのですね。最後に、その根底にある、宮川さんが考える「成果を出し続ける人」と「すぐ転落する人」の決定的な違いとは、一体何なのでしょうか。
宮川 その決定的な違いは、物事をどこからスタートさせるか、その出発点にあると私は考えています。
私が常に心に留めている、元社長(現・相談役)の杉田成道から教わった「2つの『り』」という言葉があります。それは「理想(りそう)」と「利益(りえき)」です。そして、何より重要なのはその順番です。「利益から理想は生まれないが、理想から利益は生まれる」ということです。
すぐに転落してしまう人は、どうしても目先の「利益」から物事を考えてしまいがちです。いま何が儲かるか、何が流行っているか。もちろんビジネスですからそれは重要ですが、それだけを追いかけていると、いずれ消耗し、飽きられてしまいます。それでは一過性のものしか生まれませんし、何よりチームの心が一つにならないのです。
一方で、ずっと成果を出す人は、必ず自分の中に確固たる「理想」を持っています。「自分たちは何のためにこの仕事をしているのか」「どんな価値を世の中に提供したいのか」というブレない軸です。
「日本人が育んできた文化を後世に伝えたい」という私たちの「理想」があるからこそ、スタッフもキャストも「良いものを作ろう」と一丸となってくれる。短期的な利益を追いかければ、いずれ道に迷います。
しかし、長期的な理想を掲げ、応援してくれるファンの方々を裏切らずに歩み続ければ、人も、利益も、自然と後からついてくるのです。この出発点の違いこそが、すべてを分けるのだと思います。
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