岸谷蘭丸Photo by Shogo Murakami

昨今、「オールドメディア」という言葉を聞くようになった。YouTubeやSNSの勢いに押されて、「テレビはもう古い」なんて空気も漂っている。自ら政治や社会問題の発信をする一方で、大手メディアへの出演も多い20代の岸谷蘭丸さんはどう考えているのだろうか。(教育エディター 江口祐子)

テレビとABEMAに出てみて
分かった決定的な違い

――「オールドメディア」という言葉が2025年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。今年、さまざまなメディアに出演された岸谷さんは、この言葉をどう捉えていますか?

「オールドメディア」なんて言葉を聞くようになったのは、本当にここ数年の話ですよね。YouTubeやSNSが“ニューメディア”で、テレビや新聞が“オールド”になるんですかね?なんか、「オールド」と言われることで全てがひっくり返された感がありますよね。テレビが急に古いものに思えちゃうし……。

――岸谷さんは、今年はテレビ出演もされていましたよね。

 少しだけですけどね。出てみると、まず、「関わる人、めちゃくちゃ多いな」と思いました。人数が多い分、“絶対に失敗できない”空気が場に漂っていて、収録では「ここ撮り直しましょう」が普通に起きる。映像に対するこだわりが強いし、台本や進行もきっちり決まっている。作り方も全然違うし、すげえなと純粋に思いました。

 テレビって、1本の映像作品をきれいに仕上げるための装置としてすごく優れている。その中で演者はピースの一部でしかなくて、自分の役割が正しく理解できているのか不安に思うこともよくあります。「僕じゃなくても成立するな」「これでお金もらって大丈夫?」とか思ったり。

――ネットメディアの現場はどうですか?