2025年12月4日、フランスのマクロン大統領と共に中国・北京の人民大会堂で開かれた協力文書調印式に出席した中国の習近平国家主席 Photo:AFP=JIJI
暗雲が垂れ込める
日中関係
増田 高市早苗政権の下で日中関係に暗雲が垂れ込めています。11月7日の衆議院予算委員会で立憲民主党の岡田克也議員の質問に「台湾有事が発生し中国からの武力行使があり、米国の来援があった場合、日本の存立危機事態になり得る」と述べたのが発端です。
国内からはこれまでの台湾問題や台湾有事に対する「あいまい戦略」を崩すものではないかとの指摘が出ていますし、中国からは「台湾問題に首を突っ込むな」「日本が再び台湾に介入しようとしている」との批判が噴出しました。
習近平主席は激怒
落としどころが見つからない
池上 11月18日には、北京で日中外交当局による局長協議が行われましたが、すでに局長レベルの協議では収拾がつかない状況になっています。日本産水産物の事実上の輸入停止、中国人観光客に対する訪日自粛要請や、日本に関係するイベントが中止になるなど波紋を広げ、中国でも人気のアニメ「クレヨンしんちゃん」の映画が公開延期となりました。
省庁、部局を横断して日本に対する嫌がらせが同時に行われているということは、習近平国家主席が激怒していることの証左でしょう。
増田 中国にとって台湾は「核心的利益」。特に習近平主席は経済的利益よりも台湾を含む国家の安全の方が上位と考える傾向があり、落としどころが見つかりません。







