藤田晋氏 写真:文藝春秋提供
ネットで簡単に情報が拾える時代に、わざわざ新聞を読む人は少ないだろう。だが、多忙な藤田晋は、あえて紙の日経新聞にじっくり目を通しているという。その差は、思いがけない場面で現れる。ビジネスパーソンが今の時代に意識すべきこととは?※本稿は、サイバーエージェント代表取締役の藤田晋『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。
たったひと言の相槌で
不勉強が露呈してしまう
2019年の話だけど、ヤフージャパンとすでに子会社化されていたアスクルの創業者との間で、資本・業務提携をめぐる深刻な対立が起きていた。
スキャンダラスな雰囲気も漂うその話は、連日、日経新聞などでも主要ニュースとして扱われ注目を集めていた。
「ヤフーとアスクル、揉めてるじゃん?」。
とある会議の最中に、何気なく私がこの話題を引き合いに出すと、向かいに座っていた、社内では若手の有望株と評される社員が、「へぇー」と、そうなんですか!と言わんばかりの感心したような相槌を打った。
え?「へぇー」なの?たったひと言、その短い言葉を耳にした私の胸に不安が過ぎった。若手社員が社長に打つ相槌としてカジュアルすぎるとか、そんな堅いことを言う会社ではない。感心したように頷いてくれれば気分は上がる。
そうではなく、この社員は広告代理店部門の営業の仕事をしていて、普段は広告主の大手企業を担当している。おそらく宣伝部門の部長や役員など、それなりに年上のエリート社員とも接しているだろう。
ところが、初めて聞いたような「へぇー」のひと言で、全然新聞を読んでないことを露呈してしまっていた。







