恐ろしいことに、たったひと言の短い相槌であっても、相手には社会経済ニュースに疎いことがバレてしまうのである。

 何しろ、その時期の紙面を毎日賑わしていた話題だった。取引先の大企業の方々は私と同様、新聞を読んでいるだろう。

 自分が当然のようにインプットしているニュースを知らない若い営業マンに、取引相手として不安を感じるのではないだろうか。

 ちなみに、ヤフーとアスクルの揉め事は当社には関係ない。自分たちに関係する出来事ではなく、ただの一般的なニュースだ。今の時代、ネットニュースだけ見ている人は、この“自分に関係のないニュース”が全く目に入ってこないのが厄介である。

アルゴリズムのリコメンドに
あらがうように日経新聞を読む

 先の参院選で、蓋を開けてみたら参政党が想像していた以上の躍進を遂げていたことに驚いた人は多かったと思う。普段からテレビや新聞だけでなくSNSを見ていて、かつ何かのきっかけで参政党に触れていれば、選挙前、その勢いは肌で感じられた。

 過激でインパクトのあるTikTokでの露出、そのファクトチェックに伴う議論は盛り上がり、賛否が割れて白熱するとアクセス数も跳ね上がる。その数値によりアルゴリズムから皆が興味がある話題とされ、参政党の露出はさらに増える展開になっていた。

 それでピックアップされた投稿に目をとめた人が野次馬的に記事や動画を覗いたら、それもアルゴリズムからは興味があると見做され、その後は同じような投稿が続々と表示される。それが今のインターネットだ。

 フィルターバブルとも呼ばれるこの状況によって、見ている人には連日連夜、参政党の話題で持ちきりのような状況となり、見ていない人には一切目に入ってこない、そのような情報の断絶が起きる。

 若者が新聞を読まなくなり、インターネットばかりで偏っていく傾向は以前から続いていたけど、SNSやニュースサイトがおすすめ表示のアルゴリズムを競って進化させたことで、情報の断絶はここに来て更に勢いを増して進行しているようだ。