「うるさい会話」と
「強烈なニオイ」
年末年始の帰省のため、新幹線に乗り込んだ神奈川県在住のAさん(30代)。車内で直面したのは、数人のグループ客による「騒音」と「ニオイ」のダブルパンチでした。
「新幹線に乗り、指定の席に行くと、となりで座席を回転させて対面にした派手な女性グループが大声で盛り上がっていました。『あ~席ガチャはずれた』と少しテンションが下がりました」
「会話の内容が丸聞こえなのも困りましたが、何より耐えられなかったのが、一人がつけていた強烈な香水のニオイです。私は妊娠中だったので特にニオイに敏感な時期でした。盛り上がるたびに空気が動き、きつい香水のニオイがこちらに漂ってきました」
「密閉された車内で、大声と混ざり合う強い香水のニオイは、逃げ場がなくて本当に参りました。本人たちは楽しそうですが、周囲の人も無言で耐えている異様な状況。公共の場での『ニオイ』と『音』への無頓着さには、がっかりしてしまいました」
騒々しい会話に加えて、強すぎる香水は、人によっては安らぎを奪う「感覚の暴力」へと一変してしまいます。香水だけでなく、無意識に使いがちな香りの強いボディークリームやハンドクリームにも注意したいところです。
車内に立ち込める
「食べ物のニオイ」
新幹線での食事は旅の楽しみの一つですが、選ぶメニューによっては周囲にとって「苦痛」となることも。続いて、出張帰りに疲れ切っていた東京都在住のBさん(40代)のエピソードです。
「平日の夕方、私の他にも出張帰りのビジネスパーソンが多く乗っていました。隣の席にひとりのちょっと小太りの男性が乗ってきました。座るやいなや、パカッと酎ハイの缶を開けました。と同時に、おつまみの袋を広げた。その瞬間、強烈なイカの燻製(くんせい)のニオイが、こちらにぷ~んと漂ってきました」
「空腹時ならまだしも、仕事帰りの疲れた体にイカのニオイは刺激が強すぎました。あまりの臭さに、思わず『クサッ……』と声が漏れてしまいました。幸い相手はイヤホンで動画を見ていたので気が付かず、トラブルになることはありませんでしたが」
車内で食べてもニオイは大丈夫か
「駅弁が目安になる」
「自分にとっては最高のご褒美かもしれませんが、他人にとってはただの異臭。せめてニオイの残りにくいものを選んでほしいと、切実に思いました」
食べ物のニオイは想像以上に広範囲に漂い、周囲の乗客の大きなストレスの源となります。アルコールやイカの燻製(くんせい)といったおつまみだけでなく、近年ではファストフードや豚まんなども、「新幹線では控えてほしい」と不快に感じる人が後を絶ちません。
では、何なら食べてよいのか。
ある鉄道関係者に聞くと「駅弁が目安になる」と話します。車内で食べる目的で売られる駅弁なら、ニオイが充満しないような作りになっていると考えられるからです。周囲への影響を考慮したメニュー選びを心がけることが、グッドマナーの大人として尊敬されるでしょう。







