不潔さと図々しさの極み
「座席に足を乗せる」

「足」にまつわるマナー違反が、多くの乗客をイラつかせているのをご存じでしょうか。静岡県在住のCさん(50代)がこう振り返ります。

「自分の指定席に座ろうとした際、隣に座っていた男性の姿を見て、ドン引きしました。そのおじさんは靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ、片方の足を座席の上に乗せ、まるで自宅のリビングにいるかのようにくつろいでいたんです」

「不潔極まりないですし、何より隣に座る人間への配慮が全く感じられません。あまりの図々(ずうずう)しさに、思わず『チッ』と舌打ちをしてしまいました。リラックスするのは自由ですが、他人が座る場所だという最低限の意識は持ってほしいものです。100歩譲って靴下は履いていて欲しかった」

後ろに座っていた人が足を
私のひじ掛けの後ろに乗せていた…

 東京都在住のDさん(30代)も「足」の被害にあった人の1人。

「窓側の席に座っていたのですが、窓のほうから、なにやら不快なニオイが漂ってきました。なんだろうと、窓周辺を見渡すと、後ろに座っていたサラリーマンが、足を私のひじ掛けの後ろに乗せていました」

「靴を脱いだ状態でしたが、靴下から、嫌なニオイがしました。心の中で『臭いんだよ…!』と叫びつつ、ひじを置いたら触れてしまいそうで、とてもストレスが溜まりました。足癖の悪い人って、どうして変な行動に出るのでしょうか。ニオイを自覚できないおじさん、本当に嫌な存在です」

「足」にまつわるマナー違反は、視覚的な不快感だけでなく、衛生面やニオイの問題もあり、もっとも許容しがたい行為の一つといえます。

「他人の足」と「ニオイ」の
ダブルパンチ

 本人が「リラックスしている」つもりでも、度が過ぎているかもしれません。「他人の足」と「ニオイ」というダブルパンチで、隣り合わせになった乗客は逃げ場のない心理的・生理的な苦痛を強いられることになります。

 新幹線のような公共交通機関を利用する際は、「他人と共有する空間」であることを再認識し、最低限の節度と客観的な視点を持つことがグッドマナーな大人の証しです。

 今回紹介したエピソードに共通するのは、すべて「自分さえ良ければいい」という無意識の甘えからきているもの。香水、食べ物のニオイ、そして座席の使い方。本人はリラックスして過ごしているつもりでも、すぐ隣にはその行動に耐えがたくイラついている人がいるかもしれません。

 列車という限られた空間を共有する以上、自分が発している「音」や「ニオイ」が周囲にどう影響するか、一歩立ち止まって考える想像力が求められています。

※鉄道トレンド総研に寄せられた声をもとに再構成しています。

◆◆◆

>>【関連記事】「新幹線で「お医者さまはいませんか?」→真っ先に“手を挙げた人”の正体にビックリ!」を読む