『新年最初の「チームミーティング」で嫌われるリーダーの“発言”』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

新年最初の「チームミーティング」で嫌われるリーダーの“発言”・ワースト1Photo: Adobe Stock

年始の目標設定で、メンバーのやる気が削がれる瞬間

 新年最初のチーム会議、メンバーそれぞれが1年の目標を宣言することも多いのではないでしょうか。

 前向きな空気のなかで、メンバー一人ひとりが「今年はこんなことに挑戦したい」「こんな体験をしてみたい」と語り始める。

 本来なら、ワクワクする時間のはずです。

 ところが、この場面で多くのリーダーがやってしまいがちな失敗があります。

 それが、「結果」を求めてしまうことです。

 たとえば、メンバーがこう言ったとします。

今年は、社外の人と関わる経験を増やしたいです」
「新しい分野を学ぶ体験をしてみたいと思っています」

 その瞬間、リーダーがこう問い詰めてしまう。

「それ、どうやって会社の成果につなげるの?」
「チームや組織に、どんなメリットがあるの?」

 一見すると、正論です。

 でも、この問いかけによって、何が起きるでしょうか。

「目標」が、ただの「課題」に変わる

 メンバーは次第に、こう考えるようになります。

「個人的な関心や体験を話しても意味がない」
「結局、組織目標を分解したものを言えばいいんだな」

 そして最終的に出来上がるのは、組織の目標を細かく切り分けただけの「課題」のような目標です。

 そこには自分で選んだ感覚も、挑戦してみたい気持ちも、成長への実感もほとんど残りません。

 自ら立てたはずの目標が、

管理されるための約束」
「評価のためのチェック項目」

 になってしまうのです。

『チームプレーの天才』という本は、こうした姿勢に異議を唱えています。

体験で得た学びや気づきをすぐに活かそう(または活かさせよう)と躍起にならない、焦らない。
――チームプレーの天才』(208ページ)より

 新しい体験や挑戦を、最初から“結果の出るもの”に限定してしまうと、メンバーやチームのモチベーションは一気に色褪せます。

結果を求めるから、「挑戦」しなくなる

 同書はさらに、こんな警鐘も鳴らしています。

「体験からは必ず学びを得て、すぐに活かさなければならない」とする同調圧力的な空気は、メンバーが新たな体験を試す際の心のハードルを上げることがあります。
――チームプレーの天才』(209ページ)より

 目標を設定する際に、

それ、いつ成果につながるの?」
「どうやって活かすつもり?」

 と詰めてしまうと、メンバーはこう考えます。

それなら、確実に達成できる目標にしよう」
「成果につながる目標にしよう」

 これでは、達成したいというモチベーションも、新たなことに挑戦する気持ちも湧きませんよね。

 目標とは本来、自分の未来の可能性を広げてくれるものであり、その一歩を踏み出す気持ちを支えてくれるものです。

 達成したいと思えない目標に意味はありません。

 だからこそリーダーは、「組織にとって喜ばしい結果」につながることを前提とした目標設定をメンバーに迫ってはいけません。

体験の「意味」を、焦って求めない

 むしろ、こうした姿勢が求められます。

体験に即効性を求めない姿勢、すなわちネガティブ・ケイパビリティをもって、じっくり体験の意味を見いだしていきましょう。
――チームプレーの天才』(209ページ)より

 意味づけや成果への変換は、あとからでいいのです。

 この1年、何か新しい経験を積んだり、挑戦をしたり。

 その「変化」には、必ず意味があります。

 変化できること自体が重要なのであって、「それによって何が得られたか」「どのように成長ができたか」といった意味は、あとから見出せばいいのです。

 それに、新しい経験の成果が、すぐに現れるともかぎりません。

 もしかしたら数年後、数十年後に、その経験が実を結ぶかもしれません。

 どんな結果になるかわからないけど、絶対に達成したい。

 そんな目標設定こそが、人に喜ばしい変化と成長をもたらし、最終的に結果へとつながるのです。

 これを促せる人が、チームで大きな結果を出せる「チームプレーの天才」なのです。

(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)