数々の企業を再建してきたデヴィッド・ノヴァクは、世界の成功者100人から仕事も人生もうまくいくための知見を集め、『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、その一部を抜粋・編集し、特に「成功し続ける人になる秘訣」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【年末年始にオススメ】「仕事ができるストイックな人」が実は“こっそり口にしていること”とは?Photo: Adobe Stock

新しい習慣を作るタイミング

年末年始は、「来年こそは」と新しい習慣を思い描く人が増える時期です。
早起きをしたい。
運動を始めたい。
勉強の時間をつくりたい。
頭の中では何度も計画を立てているのに、気づけば三が日が終わり、いつもの日常に戻っている――そんな経験はないでしょうか。

新しい習慣が続かない理由は、意志が弱いからではありません。
実は、脳の仕組みが大きく関係しています。

デヴィッド・ノヴァクは、心理学の興味深い効果を紹介しています。

人はある考えを他人に口頭で伝えるとき、中でもそれが真実だと相手を説得しようとするときに、その考えをより強く信じる。心理学ではこれを「話したことを信じる効果」と呼んでいる。
――『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』より

多くの人は、新年の目標を「頭の中」で完結させてしまいます。
しかし、脳は考えただけのことと、言葉にして誰かに伝えたことを、同じ重みでは扱いません。

「決意」は声に出した瞬間に強くなる

たとえば、「今年は運動するつもり」と心の中で思っているだけの状態。
この段階では、脳にとってその決意はまだ曖昧です。

ところが、
「週に3回、30分だけ運動するつもりなんだ」
と誰かに話し、しかも「君も一緒にやろうよ」と相手を説得し始めると状況は変わります。

相手を説得しようとする過程で、
自分自身がその考えを“真実”として再インストールしていくからです。

これが「話したことを信じる効果」です。

年末年始は、この効果を使いやすい

年末年始は、人と話す機会が増える時期でもあります。
家族、友人、同僚。
「来年どうする?」という会話が、自然に生まれる。

ここで大切なのは、
目標を軽く共有するだけで終わらせないことです。

相手を説得するつもりで話すことで、
脳は「これは本気の計画だ」と認識し始めます。

習慣づくりは、意志より“設計”

新しい習慣が続く人は、特別にストイックなわけではありません。
脳の特性を理解し、それをうまく使っているだけです。

「話す」「説明する」「共有する」。
この小さな行動が、
年始の決意を“一過性の気合い”から“実行される行動”へ変えてくれます。

年末年始、もし何か一つ新しい習慣を始めたいなら、
まずは信頼できる誰かに、少しだけ真剣に話してみてください。
その瞬間から、あなた自身の中で、すでに変化は始まっています。

(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集して作成しました。)