世界に打って出る気迫
韓国ドラマの水準の高さ

 海外ドラマをよく見る。スケールの大きい中国ドラマや、闇が濃い北欧ミステリーもいいけれど、韓国ドラマの水準の高さには目をみはる。

 韓国ドラマを見始めたのは、やはり「冬のソナタ」あたりから。そこから過去の作品にもさかのぼり、90年代当時にタブーとされていた光州事件を描いた「砂時計」にも強い印象を受けた。注目している脚本家はイ・ウジョンやパク・ヘヨン、俳優なら、是枝裕和監督の作品にも出ているIUや、怪物的な演技力のキム・テリ……次々と名前が浮かんでくる。

 テーマ性、俳優の演技力、カメラワークなど、見どころは多いけれど、やはり重要なのは脚本。よく練られているし、なにげない普通の場面の会話もとてもいい。そして、世界に打って出ようという作り手たちの気迫がすごい。本当の国力というものは、文化に表れる。韓国の人たちはそれをちゃんと認識して、世界を相手にたたかっているように思える。

 文化で隣の国に大きく水をあけられる、そんな状況は20世紀には想像もできなかった。では10年後や20年後、流行の先端を走っているのはどこのどんな人たちなのだろう。これまでの常識ではおそらく予測ができない。

 はっぴいえんどを結成するとき、父親にこう言われた。「お前はなんで安定しない職業につこうとするんだ」。とてもまっとうな、常識的な意見だった。でも、常識なんて永久不変ではないということは、もうはっきりしている。大きな会社だったけど今ではもう、という例もたくさんある。

世界中の映画館で流れた
日本語詞の「風をあつめて」

 日本語でロックはできないという常識は、覆すことができた。ただ、日本語の歌詞は世界には広まらない、そんな「常識」については、ぼく自身もそういうものだろうと思っていた。坂本九さんの「スキヤキ」は「上を向いて歩こう」が英語詞になったものだし、海外に影響を与えた細野(晴臣)さんのYMOの音楽には歌詞がなかったし。