ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉#3Photo:PIXTA

ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)のビジネスモデルの柱の一つが、各グループによるコンサートのチケット収入だ。ダイヤモンド編集部は、昨年のチケット売上高を独自試算した。特集『ジャニーズ帝国 最強ビジネスの終焉』の#3では、ジャニーズ事務所の主なグループの興行収入のランキングを公開。所属するタレントが稼ぎ出す“巨額マネー”の実態に迫る。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

ジャニーズは会見直後も
コンサートを続けている

「Show must go on(何があってもショーは続けなければならない)」。ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)を創業した故ジャニー喜多川氏はタレントたちにそう説いていたという。

 10月2日、ジャニーズ事務所は性加害問題を巡って2度目の記者会見を開き、ジャニーズの名称を完全消滅させることを発表した。まさに、ジャニーズ帝国が終焉を迎える中で、皮肉にも創業者のモットーは体現されることになった。

 会見後もジャニーズ事務所はコンサートを予定通りに開催し、舞台ではきらびやかなショーが続いているのだ。

 ジャニーズ事務所にとって、コンサートの開催は生命線である。

 多くの場合、コンサートにはファンクラブ会員限定のチケットの先行申し込みを経て、当選しなければならない。

 10代から20年近くジャニーズに熱中するファンの女性はこう語る。「最初は両親に頼み込んで、ファンクラブに入った。けれど、人気グループだと自分の名義だけではチケットは当たらない。なので、会費は自分持ちで親戚にも入ってもらった」。女性の友人には、同じように20人以上の会費を払って名義を持っている者も珍しくないという。

 こうしたエピソードが示すように、コンサートはジャニーズ事務所のビジネスモデルの柱であるチケット売り上げだけでなく、ファンクラブの莫大な会費収入にも結び付くのだ。まさに、ジャニーズ事務所は、コンサートを軸とした強力なビジネスモデルを築き上げたといえる。

 では、コンサートはどれだけの巨額マネーを生み出しているのか。ダイヤモンド編集部が2022年度に実施されたツアーを対象に、チケットの売り上げを試算したところ、トータルでは498億円にも上った。次ページでは、所属グループ別のチケット売り上げランキングを公開。また、活動休止や解散をしている嵐やSMAPといったグループが、かつてどれほど稼いでいたのかも明らかにする。