500名程度の組織だったので、人事の権限で、まず全社員の年齢、性別、部署、社歴、適性検査の結果=性格タイプなどの属性リストを入手しました。
そして、社員一人ひとりにインタビューをしながら、閻魔帳の裏項目を埋めていきました。
「もともと何をしていた人か」
「入社理由は何か(入社理由には、もっともその人の価値観が反映されています)」
「今『ハマっている』ことは何か」
「困ったときに社内で頼る人は誰か」
「誰と誰が仲が良いか」
「役職はないけれど、実は影響力を持っているキーマンは誰か」
「入社理由は何か(入社理由には、もっともその人の価値観が反映されています)」
「今『ハマっている』ことは何か」
「困ったときに社内で頼る人は誰か」
「誰と誰が仲が良いか」
「役職はないけれど、実は影響力を持っているキーマンは誰か」
などといった情報をさりげなく聞いていったのです。
もちろん、相手から「他の会社ではどうなっているのか教えてもらえませんか」と求められるまで、前回紹介したNGワードの「他社ではこうしている」「このやり方は非効率」などといったフレーズは絶対に言いませんでした。
このようにして、2カ月間でその組織がどのような見えない力学で回っているのかをほぼ把握することができました。
幸いにも閻魔帳作成によって信頼すべきキーパーソンを特定できたため、人事制度や育成制度という組織の根幹を作るプロジェクトで、一度もハレーション(摩擦)は起こりませんでした。
業務契約は延長され、「さらに深く組織改革に関わってほしい」という要望をもらうなど、もともと依頼されていた以上の仕事を任せてもらえるようになりました。
中途入社の人の場合でも、これと同じようなことをするとよいのではないかと私は思います。まず自分が所属する組織の力学、文脈を理解することに努めるのです。
もちろん人事でなければ、最初から社員リストを手に入れたりはできないので、同じ部署の同僚などできる範囲から始めてください。
※Glanzer, M., & Cunitz, A. R. (1966). Two storage mechanisms in free recall. Journal of Verba] Learning & Verba] Behavior, 5, 351-360.








