『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』は、東大・京大・早慶・旧帝大・GMARCHへ推薦入試で進学した学生の志望理由書1万件以上を分析し、合格者に共通する“子どもを伸ばす10の力”を明らかにした一冊です。「偏差値や受験難易度だけで語られがちだった子育てに新しい視点を取り入れてほしい」こう語る著者は、推薦入試専門塾リザプロ代表の孫辰洋氏で、推薦入試に特化した教育メディア「未来図」の運営も行っています。今回は、子どもがテストで低い点数を取ってしまった時のおすすめの声かけについて解説します。
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「なんでこんな点数なの!」
よくある家庭の場面を想像してみてください。
子どもが学校のテストを持って帰ってきました。点数は、思ったよりも低い。
このとき、多くの親御さんは反射的に、こんな言葉を口にしてしまうのではないでしょうか。
「なんでこんな点数なの!」
「ちゃんと勉強してたの?」
これは、特別に厳しい家庭の話ではありません。むしろ、ごく普通の、どこにでもあるやりとりです。しかし、この一言が、子どもの学びにおける“何か”を静かに壊していきます。
この声かけの問題点は、「叱っていること」そのものではありません。問題なのは、点数=評価という構図を、親が無意識のうちに作ってしまっている点です。
子どもは、このやりとりを通して、こう学習します。
「自分は、点数で判断される存在なんだ」
「結果が悪いと、責められるんだ」
これが続くと、子どもは次第に、失敗を振り返ることや、自分で原因を考えることをやめてしまいます。なぜなら、考える前に“怒られる”からです。
非認知能力の高い子どもの会話
一方で、長期的に子育てがうまくいく場合が多い、人間的な土台がしっかりしている(非認知能力が高い)子どもが育っている家庭では、同じ場面でも、まったく違う会話が交わされています。
点数を見て、親が最初に投げかけるのは、評価や叱責ではありません。
「どうして、この点数だったと思う?」
「準備の中で、工夫できたことはあったかな?」
「次に活かせそうなこと、何かある?」
ここで行われているのは、内省を促す対話です。点数を“裁く材料”ではなく、“振り返りのきっかけ”として使っているのです。この違いは、短期的には目に見えません。しかし長期的には、決定的な差になります。
内省が習慣化している子どもは、失敗を失敗で終わらせず、次の行動に意味づけをし、自分で改善策を考えるようになります。
良い点数を取ったときのおすすめの褒め方
同じように、良い点数を取ってきたときの褒め方も重要です。
「すごい! 90点取れたね!」
「さすがだね!」
この声かけ自体が悪いわけではありません。ただ、“結果だけ”を褒めて終わってしまうことには、注意が必要です。本来、親が注目すべきなのは点数そのものではなく、そこに至るまでのプロセスです。
・計画的に勉強を進められたこと
・毎日20分でも机に向かう習慣を続けられたこと
・分からないところを自分から質問しに行けたこと
こうした“努力の中身”こそが、将来につながる部分です。
点数という「表面」だけが評価され続けると、子どもはやがて、「どうやって良い点を取るか」「どうやって怒られないか」を考えるようになります。
その結果、「小手先で乗り切る」「失敗しそうな挑戦を避ける」「本質的に考えなくなる」という行動が増えていきます。
反対に、努力の質を見て評価される子どもは、自分で工夫し、継続し、考え続ける力を身につけていきます。そうなっていくと、勉強以外の物事も含めて、人間的にどんどん成長することができるようになっていくのです。
(この記事は『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』を元に作成したオリジナル記事です)




