新規事業は大変ですが、確かに幸せを感じてもいました。全力でチャレンジできて、会社が(額はともかく)お金を出してくれる。犯罪でもない限り、少々の失敗ではクビにならない。確かに恵まれています。
『明治製菓カカオ事業部 逆境からの下剋上 「仕組み」で部下と顧客の心に火をつけろ!』(山本実之、PHP研究所)拡大画像表示
日ごろ多忙にしていると、ついその幸福を忘れがちです。改めて言葉にすると「そうだった」と思えるし、それがまた、さらなる幸福感になります。
もうひとつ、高揚感を覚えた話があります。
それはカカオ事業部の立ち上げが決まった際、役員会議で交わされた議論の話。
「原料を扱うとなると、技術が流出するのでは」
「業界全体が明治のチョコレートレベルになったらどうする」
という危惧を示す役員が何人かいたそうなのです。
それに対して、事業本部長はこう主張したとか。
「そうなったら、うちはもっと上をつくればいい。明治の原料が広く使われることで、質の低いチョコレートが淘汰されるなら良い事ではないか」
日本のチョコレートのレベルが上がる。ヨーロッパレベルの品質が当たり前になる。明治が、そのパイオニアになろう、と言ったのです。
日本全体のチョコレートの品質を上げる、日本の食文化がまたひとつ豊かになる。
自分がその一翼を担っていると思うと、心が打ち震えました。







