そして営業活動のフェーズ。事業本部長には「新規営業は、アコーディオンのようなもの」という持論がありました。
最初は、営業先を多数リストアップして広く訪問する。その後、有望なところだけに絞り込む。その後再び、新たな営業先をリストに加えて広げる。このようにリズミカルに開閉することが大事だ、と。
カカオ事業部はそのリズムに乗れているか。今はどの段階だろうか。
「再び開くタイミングだ」と事業本部長。「でも人手も限られてますし」と製造部長。
3人が「志」を共有
『伝説の』熱海合宿となった
現在進行形の客先の「開閉」も重要です。どこを追い続け、どこを萎めるか。
この「見切りどき」の判断は難しいところです。私自身にも「脈がないからやめておけ」と言われつつ追っている会社がありましたし、Tさん(編集部注/カカオ事業部創設メンバーである年上の部下)のように、私が止めても本人が追い続けて仕事に結び付いた例もあります。
三者がそれぞれの意見を述べ、議論は白熱。日が暮れても、夜が更けても、日付が変わっても話は止まりませんでした。
この日語り合ったことは、現状分析の話だけではありませんでした。
開閉するアコーディオンの要、つまり「原点」を再確認しました。
「俺たちはなんのためにカカオを売っているんだ。誰のための新規事業なんだ」といったことを延々と話し合ったのです。
私はこの夜を、20年経った今も昨日のように覚えています。今も、3人の間では語り草。その際は「『伝説の』熱海合宿」と、枕詞が必ずつきます。
その理由は間違いなく、「頭ではない部分」が動いたからです。
この日、3人で共有した最大のことは「志」です。それが熱意や高揚感とともに語られたからこそ、記憶に深く刻まれたのでしょう。
日本のチョコレートの
品質を上げるという高い志
「会社の金で新しいことして、失敗したってクビにならない。俺たち幸せだぜ」
この事業本部長の口癖、普段はハラハラさせられるのですが、熱海という別天地で言われると「その通り!」という気持ちになりました。







