2025年12月3日、参議院本会議で質問に答える高市早苗首相 Photo:JIJI
中国軍の自衛隊機へのレーダー照射問題では、日中の主張が対立し、批難の応酬が続いています。音声など事態の機微に触れる情報がマスメディアを通じて公開されるのは、外交チャネルが機能していない現状を示すと佐藤氏は言います。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)
2度にわたる
自衛隊機へのレーダー照射
日本と中国の間で武力衝突が偶発的に発生するリスクを、過小評価してはなりません。
2025年12月6日に沖縄本島南の公海上で、中国軍のJ15戦闘機が航空自衛隊のF15戦闘機に向かい、2度にわたりレーダー照射を行いました。1度目は午後4時32分ごろから約3分間。2度目は午後6時37分ごろから約30分に及んだとのことです。
中国軍の戦闘機は、沖縄本島と宮古島の間を抜けて公海に出た中国海軍の空母「遼寧」から発進し、自衛隊機は領空侵犯に備えてスクランブル対応に当たっていました。遼寧はその後、鹿児島県の喜界島の東190キロメートルまで接近しましたが、翌日には南下して日本の排他的経済水域(EEZ)から離脱しています。
日中の外交チャネルも
ホットラインも機能せず
小泉進次郎防衛相は、7日午前2時すぎから臨時の記者会見を行い、「今回のレーダー照射は、航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為だ」と非難。日本政府は外務・防衛当局双方のルートで中国側に強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れました。







