労働力の不足を高齢者が補う日本

 日本では、「社会の役に立つことが生きがい」と考えられる傾向があります。ドイツ人の私も一部は憧れる価値観です。しかし、高齢者が最低賃金に近い給料で働き続けなければならない構造は、かなり問題だと感じます。

 ドイツでは、最低賃金付近の仕事の多くを、移民が担っています。結果として移民が支払う保険料が、年金制度を支えています。

 一方、労働人口が不足する日本では、その不足分を高齢者が担わざるを得ません。特に、資産を十分に築けなかった層がその役割を負っています。

 今後、日本の状況はさらに厳しくなると予想されています。バブル期に資産を築いた世代が去り、「失われた30年」を生きた世代が高齢化するからです。年金制度の不安はますます大きな問題になるでしょう。

 日本の年金問題で議論が必要なのは、年金制度にしっかりと加入し、長く働き社会を支える現役労働人口をどのように確保するかではないでしょうか。日本は労働力不足を得意の機械化、「ロボット」で解決しようとしていますが、ロボットは年金システムの担い手にはなりません。

 ドイツでは、年金保険料を納付している人の5人に1人が、外国人です。つまり、現在のドイツの年金制度の2割が外国人によって支えられています(ドイツ年金保険組合、2023年)。

 私は日本が大好きなので、平穏な老年期を迎えられる社会になってほしい。そのためにも、外国人労働者の受け入れは真剣に検討されるべき選択肢ではないでしょうか。

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