そりゃGDP抜かれるわ…日本人社員が絶句した、ドイツ人上司の「想定外のひとこと」写真はイメージです Photo:PIXTA

日本のGDPが2026年にインドに抜かれて世界5位に転落する見込みだ。ドイツに抜かれたのが23年で、24年も4位のままだった。名目GDPは物価や為替で左右されるものだが、日本の転落は決して円安のせいだけではないだろう。経済が停滞する根底には何があるのか?日本とドイツの「働き方と休み方」の違いを、3人の実体験エピソードを交えて探る。(ドイツ人ジャーナリスト 志村ユリア)

ドイツ系企業で働く日本人が
絶句したドイツ人上司のひとこと

 ドイツのGDP(名目国内総生産)が2023年に日本を抜いて世界3位となり、続く24年もドイツのGDPは4兆6841億ドルで、3位。日本は4兆0193億ドルで4位のままでした(国際通貨基金IMF発表)。

 日本よりも人口が約30%少ないドイツが、なぜ日本を追い抜いたのでしょうか?ドイツと日本といえば国土面積がほぼ同じ、フォルクスワーゲンやトヨタ自動車を筆頭に製造業が盛んで、勤勉な国民性など類似点も多いです。ところが、ドイツと日本で圧倒的に違うことがあります。それは、「働き方と休み方」です。

 興味深い統計データを見てみましょう。OECD加盟諸国の時間当たり労働生産性(2022年/38カ国比較)を日本生産性本部がまとめたランキングによると、日本の就業1時間当たり労働生産性は52.3ドルに対して、ドイツは87.2ドルでした。約1.7倍の格差があります。

 日本では労働生産性の低さが問題視されてきましたが、この大きな格差はどこからくるのでしょうか?都内にあるドイツ系企業で働く日本人のAさん、日本企業で働くドイツ人のBさん、ベルリンに住む日本人のCさん、3人の仰天エピソードから、働き方と休み方の違いを探ってみましょう。

 まず、ドイツ系企業で働くAさん(日本人)の話から。職場は日本人とドイツ人が基本的には仲良くやっている環境です。ある日の会議で、Aさんがプロジェクトの成果報告をしました。そのプロジェクトは大成功を収めたので、「私たち」とチームの努力を強調しながらAさんは報告しました。