26年のドイツ経済は4年ぶり「実質成長率1%超え」か、鍵は日本と同じ積極財政・成長戦略の巧拙ドイツ・メルツ首相 Photo:NurPhoto/gettyimages

財政拡張路線への転換で盛り上がるドイツ
成長率の持続的引き上げにつながるかは別問題

 ドイツ経済は、2025年の実質GDP(国内総生産)成長率がほぼゼロ成長にとどまると予想され、23、24年の2年連続マイナス成長に続き3年連続で不景気が続いた。欧州の「盟主」どころか「病人」扱いである。しかし26年は景気が回復するとの見方が主流になっている。

 欧州委員会は、実質GDP成長率を1.2%と予測しており(2025年秋季経済予測)、低迷からの脱却が期待されている。

 そのきっかけは、25年5月に発足したメルツ政権による歴史的な財政政策の転換だ。財政規律を重視する伝統的な路線から、インフラ投資や防衛関連支出については財政出動を制限する「債務ブレーキ条項」の適用外とし大幅な財政拡張に転じたのだ。

 とはいえ、財政支出を増やした分だけその年の経済成長率が高まるにしても、成長率の持続的な引き上げや産業競争力の回復につながるかどうかは別問題だ。

 これまでの景気停滞の原因であるエネルギー高や成長をけん引するハイテク企業の不在、労働市場の硬直性などの根深い構造的問題は簡単には解決しない。

 ドイツが再び成長軌道に戻るのかどうかは、成長につながる財政の「使い方」や成長戦略の巧拙が鍵を握ることになる。

 折しも日本でも成長重視で積極財政を掲げる高市政権が発足したが、ドイツと日本は米中に続き世界第3位・第4位の経済規模を有する工業国でありながら、AIブームやデジタル化の波に乗り遅れて、米中との経済格差が広がる一方で、国内政治の不安定さや少子高齢化といった共通の課題を抱えている。

 日本にとってもドイツの積極財政の行方は格好の参考材料になるはずだ。