臨床の現場では、このような有害作用をできる限り抑えるために、腫瘍部位にフォーカスして放射線を照射するなどの工夫がなされています。さらに、放射線を照射するタイミングを選ぶことにより、有害作用を和らげることができそうです。
これまで、口腔内の扁平上皮がんに罹患した患者さんを対象に、放射線の時間治療の有用性を調べる臨床研究がふたつ行われました。
『世界の最新医学が教える最高の薬の飲み方 時間治療』(藤村昭夫、講談社)
これらの研究は、いずれも放射線を朝に照射するほうが夜に照射するよりも口腔内の有害作用(粘膜炎や粘膜潰瘍)が少ないことを報告しています。
一方、腫瘍を小さくするなどの放射線療法の効果は、朝照射時と夜照射時で有意差は認められていません。
口腔内に放射線照射を行うことで粘膜炎や粘膜潰瘍が生じれば、食事を摂ることが困難になります。ただでさえ、闘病で体力が落ちている患者さんは栄養不足になるとともに、QOLが著しく低下します。
したがって、放射線の時間治療は患者さんに優しい治療法だと思われます。ただ、残念なことに、口腔内以外にできたがんに対する情報はほとんどありません。
今後、放射線の時間治療に関する臨床研究が推進され、より多くの情報が集積されることが期待されます。







