抗がん薬はおそろしい……そう思っている人に知ってほしい「時間治療」【医師が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

将来的には半数の人が罹患するとも言われる、がん。なるべくがんにならないようにするにはどうしたらいいのか。抗がん薬の投与に効果的な時間帯はあるのか。今注目の「時間治療」の観点から、医師が解説する。※本稿は、医師の藤村昭夫『世界の最新医学が教える最高の薬の飲み方 時間治療』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

長寿化社会において
がん罹患リスクを減らすには

 高齢化とともにがんになる人も増え、将来的には半数の人がなんらかのがんに罹るとされています。

 このような状況に対して、健診などによるがんの早期発見および最新の治療法が推進された結果、全国のがん患者の5年生存率は66.4パーセントに向上したと国立がん研究センターが発表しています(2019年発表)。

 なかでも5年生存率の高いがんとして、前立腺がん(98.8パーセント)、乳がん(92.2パーセント)、子宮体がん(82.2パーセント)が挙げられます。

 一方、膵臓がん(9.8パーセント)、胆囊がん(29.3パーセント)、肝臓がん(40.4パーセント)と、5年生存率が低いがんもあり、これらの疾患に対する新たな治療法の開発が望まれます。

 体内で正常細胞ががん化し、成長する過程には多くの要因が関与していますが、生体リズムの乱れも大きな要因のひとつです。

 実際に、ある基礎研究によって、時計遺伝子ががんの発育を抑える一方、時計遺伝子が障害されるとがんの成長が促進されることが明らかになっています。

 たとえば、シフトワークを長年続ける、あるいは遅い時間(午後9時30分以降)に夕食を摂る習慣を長年続けると、乳がんや前立腺がんに罹りやすくなることが知られています。これらはいずれも、生体リズムの乱れが原因と考えられます。