「人それぞれ」
まず他人と比べることをやめる

 とはいえ、我々凡人は、開き直って挑んではみたものの、思った以上に相手が強く、こっぴどくやられてしまうこともあります。

 そんなときもやはり、「それがどうした」で乗り切りましょう。

 勝負ごとに敗れたとき、試験に落ちたとき、友達に裏切られたとき、恋人に振られたとき……。生きていれば、思うようにいかないことがたくさんあります。思い通りにいくことのほうが少ないかもしれません。人生、そんなものです。

 くよくよしたって仕方ない。「失敗は成功のもと」と言うように、失敗は次の成功に向けた貴重な経験になるものです。「それがどうした!」で乗り越えてください。

 3つめの「人それぞれ」は、他人と自分を比較することを戒める言葉です。誰かと自分を比べるほど、愚かしいことはありません。

 学生時代、テストでいい点を取った友達を横目に、「あいつはいいよなぁ、頭が良くて。それに比べて、俺は……」なんて思ったことはありませんか。

 人と自分を比べるのは、テストの点数を絶対的に評価するのではなく、その点数が集団の平均値よりどれほど優っているか、劣っているかで判断する「偏差値教育」の弊害かもしれません。

 学校を卒業して何年も経っているのに「俺の人生はつまらない」「楽しいことなんて何もない」と嘆いている人がいます。

 実はこれも、他人との比較。「面白そうな人生を送っている人」「いつも楽しそうにしている人」と自分を比べて、いわば勝手に劣等感に打ちひしがれているのです。

 その反面、自分より恵まれていない人を下に見て「あいつよりはマシだよな」なんて優越感に浸ることもある。優越感と劣等感は表裏一体。同じような感情なのです。

 言うまでもなく、そんな感情には何の意味もありません。人を羨んだり、見下したりしても、自分の生活が変わることは一切ないのです。

 それどころか、自分と他人とを比べることで生まれる“悪しき感情”があります。

 第一勧業銀行(現みずほ銀行)在職中に作家デビューした江上剛さんの『人生に七味あり』という小説に登場する「七味」です。