数々のヒット作を生んだ漫画家・弘兼憲史氏は、78歳の今も『島耕作』シリーズの連載を続けている。氏が実践を勧めるのは、これまでの経験から見いだした、「困難を乗り越えるための3つの言葉」。それは、「まあいいか」「それがどうした」「人それぞれ」。著名人の名言も紹介しつつ、人生をずっと楽に生きるメソッドを指南する。※本稿は、漫画家の弘兼憲史『弘兼流 人生は後半戦がおもしろい』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

「まあいいか」
潔く諦めてベクトルを未来へ向ける

漫画家・弘兼憲史が「たいていの困難はこれで乗り越えられる」と説く3つの言葉とは?弘兼憲史氏 提供:中央公論新社

 僕は、これまでの人生の中で、常々3つの言葉を大切にしてきました。

「まあいいか」

「それがどうした」

「人それぞれ」

 の3つです。

 仕事でもプライベートでも、思わぬミスをしてしまうことがあります。

 良かれと思ってしたことが、ありがた迷惑となったり、かえって人を怒らせたり、トラブルの原因になってしまったり。

 目標に向かってコツコツと努力を続けてきたのに、ゴールの寸前で想定外の不都合が生じ、あと一歩及ばなかったということもあるでしょう。

 信用していた人間に、裏切られることもあるかもしれません。

 そんなとき、あなたはどうするか?

 もちろん、精神的に厳しい状況です。

 クヨクヨと後悔する。

「ふざけるな!」と怒りをあらわにする。

「ああ、なんでこんなことになったんだ」と思い悩む……。

 その気持ちはわかります。

 ですが、起きてしまった現実を、後から変えることはできません。落ち込んでも、泣いても、怒っても、どうすることもできないのです。

 僕はそんなとき、「まあいいか」と潔く諦めます。諦めて、過去に向いていたベクトルを未来へ向けるのです。