その結果、時計の運針速度と作業速度に正の相関が見られたといいます。つまり、入力文字数が、条件3>条件2>条件1の順で多く、それぞれ約8パーセント(約400文字)の作業量の変化があったというのです。ちなみに質においては、運針速度にかかわらず、それほど差はなかったといいます。

 また、時計の運針速度の変化に気づいても気づかなくても作業効率に変化はなく、疲労度やリラックス度についても変化はないことがわかりました。

 運針速度を変えるだけで、クオリティを下げずに作業が速くなるというのは、とても興味深い話ではないでしょうか。

 同じ時間にもかかわらず作業量が増えているということは、それだけ集中しているとも言えます。集中すると主観的には負荷を感じにくくなりますから、相乗するように効率が上がっていきます。そのため、集中しているときは仕事がはかどるとも言えるのです。

 適度に休憩を挟みながら、針の動きが見え、コントロールできる時計をとり入れてみると、集中して仕事や作業がはかどるはずです。

“先延ばしグセ”をなおす
科学的な3つの方法

 やる気が出ない背景に、「明日やればいい」といった何かと先送りにしてしまう“先延ばしグセ”があります。

 “先延ばしグセ”は世界中でさまざまな研究がなされ、研究対象として議論も盛んに行われています。“先延ばしグセ”を解決する方法はあるのかということですが、スウェーデンのストックホルム大学のローゼンタールとカールブリングは、研究の結果、“先延ばしグセ”の改善策を次のようにまとめています。

(1)すぐに得られる喜びや報酬があること
(2)ほかの行動の選択肢を減らすこと
(3)失敗への不安をとり除くこと

 たとえば、「明日中に資料を完成させなければいけない」という課題があった場合、ダラダラとしはじめてしまう前に、(1)(2)(3)をとり入れてみます。

(1)「すぐに得られる喜びや報酬があること」は、「資料を完成させたご褒美として、晩ご飯においしいお酒を飲む」と報酬を設定することです。これは脳の報酬系を働かせて、やる気を入れる方法とも置き換えられます。