しかしトランプ流は違います。力という視点でみれば世界はアメリカと中国という二大国が突出しています。中国はアメリカからみればイデオロギーが違う国ですが、トランプ氏からみれば大きな力を持っている国であることには間違いないので、そことどう組むかが重要な視点になるのです。
原理原則が国際ルールではなく力であるという立場でみると、トランプ大統領から見ればロシアにも理があります。力でウクライナを上回っているからです。
国際ルールを考えると、軍事侵攻をしたアメリカがベネズエラの石油利権に手を伸ばすのは、ロシアと大差のない行動にも見えます。しかし力によって国際政治を行うという視点であれば、ベネズエラの石油も恥ずかしくなどない成果です。
この3つの原理原則をここで述べたように理解することで、アメリカのベネズエラへの軍事行動後の日本のリスクがはっきりと見えてきます。
まずもって重要なことは、トランプのアメリカにとっては日本は重要ではないということです。
彼から見れば一番重要なのはG2で、つぎに重要な力を持っているのはEU、ロシア、インドでしょう。G7ではその意味で日本、そしてたぶんイタリアは重要ではなく、それよりもトランプ大統領は中国を重視して行動するでしょう。
もちろん経済は別です。アメリカ経済を第一に考えて、日本政府に対しては厳しい要求が続くでしょう。しかし政治に関してはドンロー主義から、東半球はEUと中国に任せればいいぐらいに引いた態度を見せるでしょう。
このトランプ氏の原理原則を理解すると、日本にとっての最大のリスクが理解できます。中国と日本が事を荒立てる事態ではアメリカは後ろ盾になってはくれないということです。
最悪なのは台湾有事の勃発です。
なにしろウクライナへの武器供与だけでも、すでにアメリカは投資対効果が大幅なマイナスです。
アジアの戦争に力をいれる体力もインセンティブも、トランプ大統領には期待できません。日本が期待するようにアメリカ軍が動いてくれない場合、最悪、日本は国際社会ではしごをはずされる可能性がでてきます。
ではどうしたらいいのか?台湾有事が起きないように、日本はあらゆる努力をしなければいけないということです。
これがベネズエラ軍事行動以降の世界の新しい現実です。日本はアメリカを張り子の傘としてどこまで利用できるのか、危ないロープの上の綱渡りがはじまりそうです。







