いつものように編集者のMさんと待ち合わせしたが、先に着いた彼は駅の近くのスーパーマーケットのなかのカフェで待っていた。Mさんを見つけたとき、Mさんは素顔だったが、私を見つけるとすぐにサングラスをかけた。役作りに余念がない。
津田山駅は山というだけあって駅を出るといきなり坂道がつづく。駅近くにありがちなコンビニなどは一軒もなく、道の左右にあるのは石材店ばかりである。石材店という時点で勘のいい人はすぐ気づくが、この駅前の道はまっすぐ霊園につづいている。
霊園というとやたらに怖がる人がいるが、私は水木しげる先生ほどではないがそこそこ墓地というか霊園好きである。霊園はいい。子どものころから、いちいちお墓なんてつくっていたら世界はお墓でいっぱいになってしまうと思っていて、その考えはいまもあまり変わっていないから、お墓自体にはほとんど関心はないし、都市部にあるコインロッカーみたいな霊廟にも興味はない。
ただ、霊園は、公園として見ると素晴らしいのである(罰当たりな物言いだったらすみません)。それなりに時代をかさねた霊園では、木々は立派に育っているし車通りもなくて、うるさい人もいない。人気がないかというと、生身の人はお盆やお彼岸をのぞいてそうそう多くは見かけないものの、いつでもなんとなく人気は感じられる……みたいなことを言ったらMさんは、ちょっと怖がっているようだった。
お店までの道のりで
古墳にコーフンする
駅からずっとつづく坂道をのぼりきると芝生がこんもりと盛り上がったところがある。
古墳だ!とコーフンしたら、無縁納骨堂であった。実際このあたりは古墳がたくさん見つかっているところなので、そのコーフンもまんざらではなかった。ちなみに、途中で割烹着姿で有名になった或る研究者の珍しい苗字と同じ名前のお墓なども見つけ、その時もMさんとたいへんコーフンした。







