25年 給料ランキング#3Photo by Yasuo Katatae

新型コロナウイルスの感染拡大も終わり、景気回復とともに主要外食企業の売り上げは急回復している。米などの原材料費高騰を受けて実施した値上げによって、客単価が上昇したことが主な要因だ。ではこの好影響続く外食企業の社員の給料はどのくらいなのだろうか。特集『25年 給料ランキング』の#3では、外食産業売り上げ上位50社の平均年収を集計し、そのランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)

売り上げ好調の外食産業
ベア実施も相次ぐ

 外食産業は、インバウンド需要や客単価の上昇により、売り上げが好調の企業が増えている。一般社団法人日本フードサービス協会によると、2024年度の全外食企業の売り上げは前年比108.4%となった。実際、牛丼チェーンの「すき家」やすしチェーンの「はま寿司」などを展開するゼンショーホールディングス(HD)は、外食企業として初めてグループ売上高が1兆円を突破した。

 外食企業の好調ぶりは、賃金面でも表れている。ゼンショーHDは25年度、過去最高となる平均11.2%の給与引き上げを実現させるなど、多くの外食企業で定期昇給と基本給を引き上げるベースアップ(ベア)が行われた。

 そこでダイヤモンド編集部は連結売上高上位50社を対象に、24年度の平均年間給与を有価証券報告書を基に集計し、ランキングを作成した。すると、5位に丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングス(HD)、4位にスシローなどを運営するFOOD & LIFE COMPANIESと、いずれも業績好調な企業が上位に食い込んだ。果たして、これらを抑えて1位となった企業はどこだったのか。

 次ページから早速ランキングを公開するが、その前に注意すべき点がある。多くの外食企業が、業務の多角化やM&Aを進める過程で持ち株会社体制(いわゆるホールディングス)へ移行している。持ち株会社にはグループの管理業務を担う上位役職者が在籍することが多く、公表されている平均年間給与は高めに出てしまう。店長など、店舗運営を任されている現場の社員の給料が反映されていない。

 そのため、次ページでは持ち株会社を除いた外食企業の平均年間給与ランキングトップ10も掲載した。そこには、意外な企業が食い込んだ。