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トランプ関税で逆風が吹き荒れる自動車業界。2025年4~9月期の決算は、「トヨタ以外全負け」となっている。トランプ関税によって、どれだけ経営への影響を受けやすいかを示す「トランプ関税の影響度」を財務データから算出したところ、「日産より苦しいメーカー2社」が浮き彫りになった。特集『金利上昇、トランプ関税、人手不足で明暗 半期決算「勝ち組&負け組」【2025秋】』の#1では、トランプ関税の影響が深刻な自動車メーカー2社を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
コロナ禍以来5年ぶりに7社全社が減益
日産、マツダ、三菱は最終赤字
逆風が吹き荒れた決算となった。
トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、スズキ、マツダ、スバル、三菱自動車の自動車大手7社の2025年4~9月期決算が出揃った。米トランプ大統領が自動車の関税率をアップした影響で、新型コロナウイルス禍の20年以来5年ぶりに、7社全社が最終減益で、日産、マツダ、三菱は最終赤字に陥る事態となった。
日産は、同決算でトランプ関税による減益額を1497億円だと発表した。その影響を軽減すべく、日産は、関税のかからない米国内生産車種の拡販や、ディーラー向けのインセンティブ設計などの見直しなどに躍起になっている(詳細は、連載『自動車 “最強産業”の死闘』の#22『日産が最終赤字2219億円で通期最終損益の見通し「未定」が続く…それでも、トランプ関税打ち返しへ米国で放つ“3本の矢”とは』参照)。
では、米国の関税政策は、日産以外のメーカーにどれほどのインパクトを与えたのだろうか。ダイヤモンド編集部では、各社の今後の経営を見通すため、「トランプ関税の影響度」を財務データから算出した。すると、トヨタ以外全負けとなりそうな状況が浮き彫りになった。
次ページ以降では、「日産より苦しいメーカー2社」を独自試算で迫る。一体どのメーカーか。








