では、まずは最大の敵「挫折」の話から。挑戦には挫折はつきものです。最初からこの話をするのはどうなんだろうと思っているんですが、これは私の性格でしょうか。挫折を考えてからだと、逆に余裕を持って物事に取り組んでいけるんですよね。
私のこれまでの歩みを通して、順に説明させてください。
本気で天文学者を目指し
夢のためにすべてを捧げた日々
私は天文学者として生きていきたいと本気で思い、その夢を目指して研究に全力で取り組んでいました。研究室に入り浸り、規則正しい生活というよりは、やるべきことに常に追われ、疲れたら研究室で寝るという生活を送っていました。しかもストレスは相当なもので、正直よく精神的に持ったなという感じです(今思い返すと、大丈夫ではなかったかもしれないなとは思います)。
常に「このままでは期日までに終わる気がしない」「天文学者を目指すような人なら1日でできるくらいのタスクだろうけど、自分には絶対に2、3日かかるから早くたくさんやらないと」という強迫観念に晒されて生活していました。
国内外問わず、トップクラスの大学出身が当たり前のような天文学者の世界に飛び込み、毎日必死で、ついていくので精一杯でした。
しかしその中でも、宇宙物理学の研究室に入って、そこから国際宇宙ステーション(ISS)の装置の運用と分析を行い、宇宙に飛ばしたい人工衛星のアイデアの実験を研究室やJAXAの設備で繰り返しました。また、アメリカとの共同研究がスタートしてNASAに滞在し、理研で給料をもらいながらプロフェッショナルを目指せたことは、今思い返しても不思議な経験でした。
一方で、トップレベルを走らせてもらった結果、自分が天文学の業界にくらいつこうとしても、本当にギリギリ指の先が引っかかるかどうかくらいのものだと実感させられました。これはもう何も言い訳ができない「挫折」でした。
これを生業にはできないなと感じ、2021年に博士号取得とともにその道を諦めました。
天文学者の先にあったのは
データサイエンスという新しい道
さて、こうなるとすべての時間を捧げてきた天文学以外で仕事を考えなければいけません。しかし、けっしてお先真っ暗なわけではありませんでした。







