中東情勢が混迷を深め、ガソリン価格は史上最高値を更新した。インフレ基調がさらに高まるなか、我々はお金の戦略についてどう考えていったらいいのだろう? 
そんなとき、うってつけの本がある。「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されている『JUST KEEP BUYING』の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段』だ。今回は令和のベストセラー『お金の大学』両学長にも大絶賛されている『THE WEALTH LADDER ウェルス・ラダー』についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【分散投資の罠】三流は「銘柄を増やす」、二流は「資産クラスを分ける」。では一流は?Photo: Adobe Stock

安心のつもりが、
実はリスクを増やしていた

株式を10銘柄保有していた。

「これだけ分散すれば安心だ」と思っていたのに、
市場が急落したとき、どの銘柄もそろって値を下げた。

よく見れば、どれも同じような人気の成長株ばかりだった。
違う企業を選んだつもりでも、値動きの方向はほとんど同じだったのだ。

友人は「日本株、米国株、新興国株で分散している」と自信満々に語る。

もし、それらすべてが銀行株だったらどうだろう。
見た目は分散でも、中身はひとつのリスクに依存している。

本当の分散投資とは何か。
考えれば考えるほど、答えが見えなくなる。
――そんな問いを抱えたまま投資を続けている人は、決して少なくない。

投資のミスが大損害につながる

もはやマネー本の古典となった『JUST KEEP BUYING』の続編で、14か国以上で翻訳されている世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。

投資をしている人の多くは、「自分は分散投資ができている」と考えているが、
残念ながら実際にはそうでないケースは少なくない。

――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.197)より

本書によると、レベル4(資産100万ドル以上~1000万ドル未満)になると、
資産のほとんどが収益資産になる可能性が高く、
投資のミスが大きな損害につながるという。

たとえば、資産10万ドルで10%の損失なら1万ドルの痛手ですむ。
しかし、資産100万ドルで10%の損失となれば、
10万ドルもの大金が消える。

割合は同じでも、絶対額で見れば壊滅的なダメージになってしまう。

「三流」「二流」と「一流」、
決定的な差とは?

分散投資が必要だと感じたとき、
三流は「銘柄を増やし」、二流は「資産クラスを分ける」。
そして、一流は
真の分散を理解し、集中リスクを徹底的に避ける」のだ。

本書によると、
たった一度の大失敗ですべてが台無しになるのが集中投資の恐ろしさだという。

一流の投資家は、こうした集中リスクを避けるために、真の分散投資を実践する。

「業種」を分散させる。
「地域」を分散させる。
「資産クラス」を分散させる。

単に数を増やすのではなく、本質的なリスク分散を図る。
それが、資産を守り、着実に増やしていくための最も確実な方法なのだ。

本書を読んで気づいたのは、
分散投資とは「資産を増やすための戦略」ではなく、
資産を失わないための防御」だということ。

分散とは、チャンスを逃すことではない。
未来の資産を守るために、あえてリスクを限定することだ。
そして、その慎重さこそが、
長く投資を続けるための最大の武器
になるのだ。

(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)