中畑氏の行動はプロフェッショナルで尊い

 スランプで苦しい時、周囲の環境が思い通りにならない時、安易に救済を求めるのではなく、まずは自分で自分を鼓舞するのだ。「自分はできる」「今は絶好調だ」と、言葉の力を使って脳を騙し、行動を変えていく。

 中畑氏の行動が尊いのは、彼が自分の不安を押し殺してまで、周囲を明るくしようと努めた点にある。

 ヤオコーの川野会長が感銘を受けたのも、その「自立した精神」に対してだろう。組織のムードが悪いのを他人のせいにせず、自らが発光体となって周囲を照らす。これこそが、プロフェッショナルな仕事人のあるべき姿ではないだろうか。

 もちろん、人間だもの、弱音を吐きたくなる夜もあるだろう。論文が示唆するように、ネガティブな感情自体を完全に否定する必要はない。しかし、翌朝には鏡に向かって、自分を奮い立たせる言葉を投げかけたい。

「私はプロだ」
「今の困難は、成長のためのステップだ」
「今日も最高のパフォーマンスを発揮できる」

 シンプルで力強い言葉は、確実なエネルギーをあなたに与えてくれるはずだ。

 中畑清という男は、単なる「明るい人」ではなかった。彼は、不安やプレッシャーという目に見えない敵と、言葉という武器を使って戦い続けた孤高の戦士だったのだ。その姿は、不確実な時代を生きる私たちにとって、ひとつの道標となる。

 誰かに機嫌をとってもらうのを待つのは、もうやめにしよう。人生を切り拓くのはいつだって自分自身の意志だ。中畑氏のように、そして日本一強いスーパーを目指したヤオコーの人々のように、自らの言葉で自分を定義し、行動し続けること。

 明日の朝、あなたなら自分自身にどんな言葉を掛けるだろうか。その一言が、あなたの、そしてあなたの周りの環境を少しだけ心地よいものにするかもしれない。

中畑清「絶好調!」に隠された繊細な人間性「明るいだけの男ではない」「スランプで体中にジンマシン」