半面、「価格が高い」「調理が面倒」といった理由で、魚から遠ざかる人は少なくない。夫婦共働きの世帯も増え、時間がかかる魚料理は敬遠される傾向にある。サケやイカなどの大衆魚は不漁で価格は上昇し、サーモンなど輸入水産物も世界の需要増で国際相場は右上がり。肉と比べて割高という理由もある。
日本の漁獲量は何十年も直線的に減少しており、いまのまま減り続ければ2050年に漁獲がゼロになるとされる。資源管理が十分ではなく、気候変動による不漁の影響も無視できない。北海道で大型のブリが獲れたり、サケが戻らなくなったりする要因には、水温の変化があるという。
魚離れが進むなかでも
高い人気を誇る魚は?
一方、回転寿司の定番でもあるサーモンは人気だ。魚介類全体への支出額は右肩下がりの中、サケ(加工品を除く)は増加傾向にある。さらに細かく見ると、30年ほど前に比べて塩サケの購入量は半分に減ったが、生サケは2倍に伸びている。
サーモンは加熱しても味がよく、価格も安定している。サーモンは鮭の英訳だが、いまは鱒類の魚も含めてそう呼ぶことが多い。日本では生で食べる習慣はあまりなかったが、1990年代以降にノルウェーやチリから生食用が輸入されるようになり、回転寿司が積極的に売り込んだ結果、「サーモン」という言葉が定着した。
マルハニチロによる「回転寿司に関する消費者実態調査2025」では、よく食べるネタで14年連続の1位となった。最初に食べるネタ、締めに食べるネタ、コスパがいいと思うネタでも1位。マグロやハマチを抑え、いまや魚介類の中で王者の風格さえ漂う。
魚食の拡大を目指し、水産庁とスーパーマーケットが歩調を合わせた取り組みが始まっている。語呂合わせで毎月3~7日を「さかなの日」に制定した。コンセプトは「さかな×サステナ」。魚を選択して食べることはSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任:持続可能な消費と生産のパターンを確保する」ことにつながり、その達成に貢献する行動であると広く発信している。







