筆者の教える大学院生と卒業生が集まったホリデーシーズンのパーティーで、異様に多くの若者たちがぞろぞろと玄関先に出て紙巻きたばこを吸っているのに気づいた。こうしたパーティーを毎年開いているが、コートにくるまり、風を避けて身を寄せ合う喫煙者が例年は数人いる。ところが今年は群れをなしていた。彼らは作家志望で、自宅の本棚にはアルベール・カミュやジョージ・オーウェル、ジャネット・マルカムの本が並んでいる。みんな、たばこを手に持つきゃしゃな作家ジョーン・ディディオンや、写真家ロバート・メープルソープの隣で黒いTシャツと黒いジーンズ姿でたばこを吸う若き歌手パティ・スミスといった古風なクールさのイメージを見て育った。そのため、紙巻きたばこに引き寄せられるのは驚くに当たらないかもしれない。