「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
「“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
Photo: Adobe Stock
インド人は意外とパリッとしている
あなたは、どこまで自分の見た目や職場でのファッションに気を遣っているだろうか。“中身”や“実力”が大事なことは言うまでもないが、もし着る服を少し変えるだけで、生産性や契約の成約率が5%だけでもあがったら儲けものだろう。
「なんでもあり」のように見えて、インドにおけるホワイトカラーのオフィスファッションは、実は今の時代も襟付きシャツにビジネスパンツが基本だ。営業マンだけでなく、内勤の職員も、日本の人々がインドと聞いて連想するような緩く自由な格好はしておらず、意外にパリッとした服装をしている。
駐在員仲間の話を聞くと、各社のインドオフィスでも服装は自由化されているが、それでもやはり、インド民は、「オフィスワーカーたるもの襟付きシャツとズボンを着る」という文化は根強い。
服装は「シグナル」になる
インド民にとって、どのような服を着ているかという「見た目」は、自分の社会的地位を示すための重要な道具であり、襟付きシャツとビジネスパンツは、自分が“体を動かす単純労働者”でなく、オフィスワーカーである証拠のようなものだ。
要するに、有象無象がひしめくインド社会において、「私はビジネスマンです」ということを相手に分からせる機能が重要なのだ。そのためには、言葉で説明しなくても一目でわかるような社会的シグナルを出す必要があり、その文脈が襟付きシャツとビジネスパンツに表れている。
同じことの裏返しで、インドの清掃員は茶色や黒っぽい色の服装を着させられていることが多く、元々肌の色も黒く、体つきも小さいグループの人々がそういう仕事を担当していることが多いので、一目で掃除員の社会階層であることが分かる。インド民からすれば、トイレの掃除をしている者が、明るい生命力あふれるような色の服装をしていたら違和感を覚えるだろう。全体として「見た目」が、相手を推し量るうえで非常に重要な要素を持っていることが強調された社会なのだ。
服装も「利益を得る」ための道具
見た目が醸し出すシグナリング効果をインドで見せつけられ、私も、ワイシャツとビジネスパンツのスタイルに回帰した一人だ。周囲からも、「日本ではカジュアルウェアを着ていたが、インドに来て襟付きシャツとビジネスパンツスタイルに戻った」という話を聞く。
服装や見た目がいかに社会の中で無言のシグナルを出しているのか、あらためてインドは私たちにも教えてくれる。
日本では、ジーンズやTシャツすらもオフィスファッションとして許容されるようになって久しいが、相手に対して一目で自分のポジションを理解させる服装は今の時代も効果的だ。インド民に限らず、人間は印象で相手を推し量るし、短時間で他人の“中身”を理解できる力はほとんどの人が持ち合わせていない。だからこそ、「見た目」が相手に与える心理的な影響を上手く活用していくことは、このご時世であっても効果的だ。
大事なことは、ビジネスマンにとって見た目は自己満足の道具ではなく、いかにそれを使って自分の利益を導くかの道具の一つであるとうことだ。
『インド人は悩まない』では、インド民の「見た目第一主義」に代表されるような、合理思考や生き方の習慣を紹介している。是非本書でその魅力と秘密を知ってほしい。
(本記事は『インド人は悩まない』に関する特別な書き下ろし原稿です)









