東レの背信 LEVEL4#3Photo:REUTERS/AFLO

ダイヤモンド編集部が4年にわたり追及してきた東レの不祥事。樹脂製品の異物混入や海外工場の管理不全、データ偽装まで、一見バラバラに見える問題の根底には、異常なまでの「原価低減」への執着があった。特集『東レの背信 LEVEL4』の#3では、有識者委員会の調査でも踏み込めなかった組織構造のゆがみと、「決められた通りに作れない」名門企業の病理を独自取材で暴く。(フリーライター 村上 力)

不祥事の再発が止まらない東レの闇
有識者調査でも暴けなかった「深層」に迫る

 2022年の『東レの背信』以降、ダイヤモンド編集部は、4回にわたり東レの品質不祥事に関する連載を展開してきた。その第4弾となる今回の『東レの背信 LEVEL4』は、樹脂製品の異物混入とその隠蔽疑惑、そして工場の建設・修繕工事を巡る買いたたき行為について、独自取材により新事実を明らかにしたものだ。

 実は今回取り上げた二つの問題と、これまでに明らかにしてきた東レの数々の不祥事には、「原価低減」という共通項がある。

 東レは過去の品質不祥事を受け「有識者調査委員会」による調査報告書を17年と22年に2度公表している。だがいずれも限定的な調査にとどまり、根本原因をあぶり出すに至っていない。報告書公表後も続々と不祥事が露見していることは、報告書の結論や再発防止策が的外れとなっている証左だろう。

 そこでダイヤモンド編集部がこの間、東レ関係者から得た証言や資料を基に、頻発する品質不祥事の深層に迫る。