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出版社兼ネット葬儀社の鎌倉新書の調査によると、墓石の平均購入金額は155.7万円に上る。さらに僧侶を招いて葬儀を行うとなれば、葬式の総額は決して安くない。こうしたお寺中心の葬儀市場に、いま神社が激安モデルで参入し始めている。神社が終活ビジネスに踏み出した抜き差しならない事情とは?※本稿は、『宗教問題』編集長の小川寛大『誰が「お寺」を殺すのか』(宝島社新書)の一部を抜粋・編集したものです。
かつては寺だけの特権であった
葬儀ビジネスの現在地
現在お寺業界を苦境に追い込んでいるのは、「自然葬」の流行である。
たとえば、従来型の墓石の代わりに墓地に木の苗を植える「樹木葬」や、遺骨を海にまく「海洋散骨」などの人気が、かつてなく高まっている事実があるのだ。そして、そのプレイヤーとして目立つのは神社だ。
福岡県にある和布刈神社は、海洋散骨を非常に熱心に行っている神社として著名な存在だ。
その取り組みを紹介したウェブサイト「マネーポストWEB」の2024年8月31日付記事によると、同神社が海洋散骨を始めたのは2014年のこと。以来、3000件の実績を上げ、それまで500万円ほどだった神社としての年間収入は1億4000万円に迫るという。
また茨城県にある常陸国出雲大社(1992年建立)は、樹木葬を熱心に行う神社である。
同神社の宮司・高橋正宣が著書『続・ソニー、盛田会長との200年の誓い-昭和、平成、令和、一代で築いた奇跡の神社』(宗教問題)で書いているところによると、彼は「なぜ、神社は葬儀をやらないのか」という声が世間に多くあることを知って、自らで境内の山を重機で切り開き、2002年ごろから神道式葬儀(神葬祭)および墓苑開発事業に取り組んできたのだという。







