墓じまい→樹木葬→お墓は「第3世代」に!レンタル、サブスク、LGBTQ対応…少子化や過疎化、ライフスタイルの多様化、経済格差などを背景に、「ついのすみか」であるお墓に変化が起きている。永代供養墓、樹木葬に続く「第3のお墓」が注目されている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

改葬が10年で4割増
変わる「お墓の形」

「うちのお寺の墓地の4分の1は後継者がなく、近い将来『墓じまい』しそうです。これから先、お墓もどうなっていくでしょうね……」

 お彼岸を前にそうぼやくのは、都内の寺院住職だ。

 少子化や過疎化、ライフスタイルの多様化、経済格差などを背景に、「ついのすみか」であるお墓に変化が起きている。一つが、「墓じまい」にも代表される継承難なども理由とした改葬の急増だ。厚生労働省の「衛生行政報告例」によれば、2021年度統計の改葬数は11万8975件。10年前と比べると4割余も増えている。

 もう一つの変化が、お墓の形態だ。かつてはお墓といえば、昔ながらの一般墓か納骨堂だった。だが20~30年ほど前から町のお寺にも普及し始めたのが、合葬を前提とした永代供養墓(集合墓)だ。お墓を守る後継者がいないといった悩みに応えたもので、利用者にとっては守る人がいなくてもお寺が供養してくれる安心感、またお寺にとってはお墓を求める人の新たな受け皿ひいては寺院運営の一助にもつながると期待された。