忙しい社会人が独学や学び直しを成功させるために、最初にすべきことは「時間の確保」である。
『ULTRALEARNING 超・自習法』で著者のスコット・ヤングは、予定をカレンダーに書き込むことは、計画を忘れずに行動する助けになると述べる。本連載では、ウォール・ストリート・ジャーナル・ベストセラーにもなった本書の「学習メソッド」を紹介していく。(構成:ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)
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時間がない人こそ「計画」が必要だ
計画的な学習のためには、時間を前もって確保しないと、やる気を引き出すことが難しくなる。
前もってスケジュールを立てておくことには、2つの意味がある。1つはプロジェクトを他の予定より先んじてカレンダーに書き入れておくことで、無意識のうちにプロジェクトを優先できるという点だ。(『ULTRALEARNING 超・自習法』より)
つまり、学びを“時間の残りかす”に任せていては、成果は出ない。
先に予定を入れることで、脳が「この時間は学習のため」と認識し、他の誘惑を寄せつけにくくなる。最近話題の「スマホ断ちアプリ」よりも効果的な方法かもしれない。
著者は、学習を「一貫して」行うことの大切さを説く。
毎週同じくらいの量を学ぶ定期的なスケジュールが、一貫性を生み、必要な労力を減らしてくれる。
そうした一貫性は良い習慣を生み、勉強に必要な労力を減らしてくれる。
柔軟に変えられる計画が成功を生む
計画は「守る」ものではなく「最適化する」ものだ。
本書では、短い時間を複数回に分けて行う方が効率的な場合もあれば、集中を要する作業には長時間学習が向くこともあると述べている。
執筆やプログラミングなど、“ウォームアップに時間がかかる作業”には連続した学習時間を確保したほうがよい。
自分にとって何がベストかを知る最善の方法は、実際に試してみることだ。ウォームアップに時間がかかるようであれば、1回の学習時間を長くするようにスケジュールを組む。(『ULTRALEARNING 超・自習法』より)
本書の考え方を参考にすると、まずは「テスト期間」を設けて計画を実験するのがよいだろう。
著者は6か月以上のプロジェクトを計画する際、「1週間のパイロット期間」を設けることを推奨している。
試してみて疲弊したなら、スケジュールを修正すべきというわけだ。
この考え方は、現代の働き方にも通じる。リモートワークや副業が広がる今、「がんばる前に、試してみる」姿勢が生産性を左右する。
SNSで「今年こそ資格を取る」と宣言するよりも、まず1週間だけ行動してみる方が、よほど現実的である。
カレンダーに書く行為が“覚悟”をつくる
学びのスケジュールを立てることは、単なる時間管理にとどまらない。
それは自分の学習への「コミットメント」を可視化する行為だと著者は述べる。
たとえば、カレンダーに予定を書きたくないと思うとき、それは「本気で始める覚悟ができていないサイン」だという。
これはまさに心理学の「コミットメントと一貫性」の観点から見ても理にかなっている。学習時間を予定表に書き込んで可視化すると、「やる」と決めた事実が自分に対する約束として残り、先延ばしを減らす助けになる。
Googleカレンダーや手帳アプリを使って、週単位で勉強時間をブロックするのが効果的だろう。
休暇・家族・仕事との衝突を事前に避けられるだけでなく、自分の努力を「見える化」できるのも大きなメリットだ。
学び直しが注目される今、成功する人と挫折する人の差は「やる気」よりも「予定」に現れる。
予定を入れた瞬間から、学びはすでに始まっているのだろう。





