かつては「終身雇用」が世の中の常識だったが、昨今は「転職」が日常的なキーワードになってきた。近年、企業の採用計画の中途採用比率は43%まで上昇している。特にITやDXのような専門性の高い職種は中途比率が高くなる傾向がある。また、若い世代ほど転職者の割合は大きい。
しかし、いわゆる「よそ者」が職場に入ってきた場合、その人の振る舞いはどうしても注目されることになる。ましてやそれが「リーダー」のポジションであればなおさらだ。
P&Gを経てマクドナルドやファミリーマートなどで活躍しているマーケター・足立光氏は、『即戦力! 転職、転勤、出向、異動するときに読む本』(ダイヤモンド社)を刊行した。そこには、自身の経験を踏まえて「新参者」が新しい職場でどう振る舞うべきかが詳細に記されている。
「転職」だけではなく「社内異動」「転勤」「出向」でも状況はほぼ同じだ。職場が変わった、あるいはもうすぐ職場を移ることが決まっている人は、ぜひ読んでいただきたい。
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3年で結果を出すスピード感で動く
日本の会社にいたのでは、自身の成長が遅くなるのではないか、と若いビジネスパーソンから問われたことがあります。たしかに日本の現実として、興味深いデータがあります。経済産業省の出している資料「課長への昇進年齢」です。日本では38.6歳。これが中国では28.5歳。「部長への昇進年齢」は日本44.0歳、中国29.8歳。
日本で起きているのは、年功序列もあってか昇進がなかなか進まないので給与が上がらないという状況です。だから、部長の給与レベルはすでにタイにも抜かれています。タイの企業のほうが日本企業より管理職の平均給与が高いのです。
また、日本の上場企業の社長の25%は、70歳以上です。これが、社長の平均年齢を大きく押し上げています。実際に、若い社長はとても少ない。
2000年代にGE(ゼネラル・エレクトリック)が世界を席巻していたころ、ジャック・ウェルチは45歳でグローバルCEOになっていました。フランスのマクロン大統領は39歳で就任しました。同じくフランスのアタルは史上最年少の34歳で首相に指名されています。世界では、これが普通なのです。
30代後半から40代で大きな組織のリーダーになろうとすれば、課長、部長、本部長、局長、執行役員、取締役と、2~3年に一度、昇進しなければいけないことになります。
ということは、2~3年に一度のペースで、結果を出し続けなければなりません。ビジネスパーソンとして、海外のように40代でリーダーになろうとするなら、3年おきに結果を出して昇進しなければならない、ということです。
日本企業で40代で部長、60代で役員、60~70代で社長になると考えると、こういう発想にはならないでしょう。逆に30代で役員に、40代で社長に、と考えたら、のんびりはしていられません。どんどん結果を出していかないといけないのです。成長スピードも当然、速くなります。
転職が当たり前になり、年功序列が壊れ始めている今は※本稿は『即戦力! 転職、転勤、出向、異動するときに読む本』足立光(ダイヤモンド社)からの抜粋記事です。若い人にも大きなチャンスの時代が来ていると感じています。のんびり成長、昇進するのではなく、スピード感を持って成長、昇進していくことができるのです。
だからこそ、長くても3年ごとに大きな結果を出すことを意識するべきです。社内異動でも転職でも、行って3年間でひとまずやり切る、くらいの意識を持つことが実際の行動や成果に大きな意味を持ってくると思います。
1年目は前任者の残したものを参考に、どこを変えるか変えないかの仮説を検証し、仮説に基づいたアクションをスタートさせ、2年目に大きく変え、3年目に結果を出す。ここで特に大事になるのが、1年目です。
移って3カ月から半年以内には、「こうしよう」を仮説から導き出し、社内の合意を取って、打ち手が正しいかどうかの検証と同時並行でアクションを始めなければ、2年目に大きな手は打てません。逆に、これができれば大きな成功を短期間で勝ち取れる可能性が出てきます。このスピード感で動くためにも、入社・異動の前から準備を始めることが必要なのです。
※本稿は『即戦力! 転職、転勤、出向、異動するときに読む本』足立光(ダイヤモンド社)からの抜粋記事です。






