長期金利急騰でも「円安加速」150円台後半の事情、日本で進むもう一つの“金融抑圧”の可能性10年国債の金利と為替を示すボード=1月19日 Photo:AFP=JIJI

長期金利2.3%台上昇も円は158円台
円安が「金融抑圧」に似た結果もたらす!?

 高市積極財政の不確実性もあって、長期金利の指標である新発10年物国債利回りは1月20日には一時、2.380%まで上昇し、約27年ぶりの高水準だ。

 だが一方で、円ドルレートは年明けも円安が進み、直近では158円台になっている。

 前回本コラム『長期金利は約27年ぶり「2.1%台」に上昇、“金融抑圧”を阻止する防波堤になるか』(2026年1月15日付)では、名目金利が政策的に低く抑えられる一方で、インフレ率が上回ると、「金融抑圧」(Financial Repression)の状況になり、国債などの政府債務の実質的な負担が軽減される一方で、家計や民間部門から、増税のような明示的な手段でなく、わかりにくい形で政府へ資金が移転し、財政肥大化につながりやすいことを指摘した。

 だが財政危機懸念などによるタームプレミアムの上昇が長期金利上昇という形で実現するなら、それによって金融抑圧の条件(長期金利をあるべき水準より低位に保つこと)が満たされないことになるので、金融抑圧は成立しにくいだろうと述べた。

 2022年にイギリスで生じたトラス・ショックの場合には、金利が急上昇したので、確かに金融抑圧にはならなかった。

 しかし、どんな場合でもこうなるとは限らない。日本では異なる結果になる可能性がある。

 いまの円安加速は、インフレや名目の税収増といった形で、金融抑圧と似た結果をもたらしている可能性が強い。