「この人、話しやすい」と思われる人が無意識に使っている“最強の言葉”とは?
戦略コンサルやシリコンバレーの経営者、MBAホルダーには、共通点があった。「伝える内容を1つに絞り、1メッセージで伝えて、人を動かす」ということ。プレゼン・会議・資料作成・面接・フィードバックなど幅広い場面で成果を上げるノウハウをまとめた書籍『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』から一部抜粋して紹介する。

「この人、話しやすい」と思われる人が無意識に使っている“最強の言葉”とは?Photo: Adobe Stock

「この人、話しやすい」と思われる人がいる

 仕事での会話において、相手に「この人、話しやすい」と思われることのメリットは計り知れない。上司にそう思われれば、評価が上がるかもしれない。部下にそう思われれば、行動が早くなるかもしれない。顧客にそう思われれば、受注が増えるかもしれない。

 そんな「この人、話しやすい」と思われる人が、人によっては意識的に、そして、人によっては無意識にでも使っている“最強の言葉”がある。

「この人、話しやすい」と思われる人は「相手の言葉」を使う

「この人、話しやすい」と思われる人が使っている最強の言葉の一つは「相手の言葉」だ。「相手の言葉」とは、相手が普段よく使っている言葉だ。相手の口癖や、相手の社内用語や業界用語、相手の方言などが典型だ。

「相手の言葉」を使って話すことで、相手に余計な情報処理の負荷をかけずに伝えることができ、相手に伝わりやすくなるのだ。

予定表は「スケジュール表」と「線表」のどちらで伝えるのが正解か?

 たとえば、プロジェクトなどの仕事の予定表のことを「線表」と呼んで相手に伝えたら、多くの人が違和感を持つのではないだろうか。予定表なら「スケジュール表」の方がよく使われるし、そもそもそのままで「予定表」の方が一般的だからだ。「線表」は一部の業界の一部の会社でしか使われていない言葉だ。

 しかし、伝え上手は、それが一般的な言葉かどうかは言葉選びの基準にしない。伝え上手は、それが「相手の言葉」かどうかで選ぶのだ。

 たとえば、相手の会社が予定表を「線表」と呼ぶ会社であれば、プロジェクトの予定表は「線表」というタイトルにしてプレゼンする。それが相手に余計な情報処理の負荷をかけずに、伝わりやすいからだ。似たような理由で、線表を横文字にして「ガントチャート」という言葉にして伝えるのも、一見はカッコよいかもしれないが、そのような会社では「相手の言葉」ではないので伝わりにくくなってしまう。

 繰り返すが、どの言葉を選ぶのが正しいかの絶対的な基準はない。相手に伝わることが目的なのだから、相手に伝わりやすい言葉を選ぶべきで、特に選ぶべきは相手が普段から使っている「相手の言葉」なのだ。

「相手の言葉」は伝わりやすいだけではなく、相手との距離を縮める

 そして、「相手の言葉」を使って伝えると、伝わりやすいだけではなく、相手が情報処理にストレスを感じないため、相手は自然と「この人、話しやすい」とまで感じてくれたりする。営業するときに、その土地の方言や相手の会社の業界用語を使って会話をするとアイスブレイクして相手との距離が縮まるのはこの原理だ。

 迷ったら「相手の言葉」を使って伝えてみよう。そのためにも、相手がどんな言葉を使っているかに普段から気を払ってみよう。

 たかが言葉、されど言葉。こちらがどのような言葉を使って伝えるかで、伝わりやすさだけではなく、相手がこちらに感じる話しやすさも変わったりするのだ。

(本原稿は『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』を一部抜粋・加筆したものです)