ここで重要なのが、「リーダー」と「マネージャー」の役割の違いを明確に区別することです。本質的な意味での「リーダー」とは、「Where(どこへ向かうか)」を決める人です。誰も見たことのない未来を指し示して「あっちだ!」と旗を振る。これはカリスマ性が必要な役割であり、天性の才能が求められます。
一方、「マネージャー」とは「How(どうやってそこへ行くか)」を考え、実行する人です。目的地にたどり着くために、資源を配分し、人のやりくりをし、部下を育成して組織を回していく。この役割に、カリスマ性は必ずしも必要ありません。むしろ、必要なのは「言語化能力」と「忍耐強さ」です。
カリスマ型のリーダーは、往々にして言語化能力が低い傾向にあります。自分があまりにも自然にできてしまうやり方を論理的に説明できないからです。それで「センス」の問題や「気合」という精神論で片付けたりします。これでは部下は育ちません。
マネージャーになるべき人が
を持っている「増大理論」
では、「絶対に部下を持ってはいけない人」と「持たせたほうがいい人」の決定的な違いはどこにあるのでしょうか。それは、人の能力(知能)に対して「固定理論」を持っているか、それとも「増大理論」を持っているかの違いに尽きます。
「固定理論」とは「人の能力は生まれつき決まっていて、変わらない」と考える価値観です。 一方「増大理論」とは「人の能力は努力や経験によって、後天的に伸ばすことができる」と考える価値観です。
カリスマ型の天才プレイヤーは、「自分には才能がある、あいつにはない」という固定理論で世界を見ていることが多い。だから「才能がない奴はやめてしまえ」という発想になりがちです。一般的な企業組織において、この価値観を持つ人が上司になると悲劇が起きます。部下の成長を信じられないため、育成を放棄し、今できない人は、切り捨てるマネジメントをしてしまうからです。
マネージャーに必須の要件は、疑いなく「増大理論」を持っていることです。部下の可能性を信じて「今はできなくても、適切な指導と経験があれば必ずできるようになる」と思える人。こういう人でなければ、部下を持ってはいけません。







