最強の組織を作る
「アサインメント」の妙
そうは言っても、スティーブ・ジョブズ氏やイーロン・マスク氏、孫正義氏のような、強烈なカリスマ(固定理論の持ち主)がトップに立つことで、企業が爆発的に成長することも事実です。変革をもたらすには、彼らのような「Where」を示すリーダーが不可欠だからです。
ただし、重要なのは「組み合わせ」です。歴史を見ても、組織を大きくすることに成功したカリスマの横には、必ず優れた「ナンバー2」が存在しました。カリスマが「こっちだ!」と突っ走る後ろで、ナンバー2が実務を取り仕切り、社員たちのケアをし、組織をまとめていくのです。
もし、あなたの組織に強烈なカリスマ性を持つ人材がいるなら、その人には部下を持たせず(あるいは名目上の部下だけにし)、実質的な人の管理は「増大理論」を持つマネージャータイプの人間に任せるべきです。
逆に、マネージャータイプの人ばかりでは、組織は安定しても、イノベーションは起きにくいかもしれません。その場合は、マネージャーが組織を守りつつ、カリスマタイプの人材をプロフェッショナルとして自由に暴れさせる、という配置が有効になります。
人事における「アサインメント(配置)」には「ジョブ・アサイン(誰にどの仕事を任せるか)」と「ピープル・アサイン(誰と誰を組ませるか)」の2つの側面があります。
部下を持ってはいけない人とは、能力が低い人ではありません。「人の成長を信じられない人」です。そういう人には、部下を持たせるのではなく、その圧倒的な個人の能力を最大限発揮できるポジションを用意する。
そして、部下を持つ役割には、人の弱さを理解し、成長を信じて待つことができる「徳」のある人を据える。この使い分けこそが、組織を崩壊させず、かつ成長させるための要諦なのです。
【参考文献】
※ 繁桝江里(2017)「ポジティブおよびネガティブ・フィードバックが部下のコミットメントおよび成長満足感に与える影響:上司に対する信頼による媒介効果の検討」(『産業・組織心理学研究』,30(2),159-169)








